TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1996年11月17日放送)

TOKIO HOT 100 1996-11-17 放送回ランキング ランキング

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1996年11月17日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1996年11月17日放送回)。

この週の音楽シーン

1996年11月17日の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、ジャミロクワイの「Virtual Insanity」。ジェイ・ケイ率いるこの英国発のグループは、アシッド・ジャズやファンクのグルーヴを土台にしながら、シンセサイザーやプログラミングを大胆に取り入れ、90年代半ばのダンス・ミュージックとブラック・ミュージックの折衷を体現していた。床が波打つように動く仕掛けの上でジェイ・ケイが踊るミュージックビデオは強烈なインパクトを残し、テクノロジーと人間性の距離を歌う内容とも相まって、当時のバーチャル・リアリティ論議やIT化への漠然とした不安を先取りしたようにも聴こえる一曲だった。

この週のTOP10を眺めると、90年代半ばのAOR/アダルト・コンテンポラリー的な感触も色濃い。ドナ・ルイスの「I Love You Always Forever」はシンセ・ポップ的な浮遊感を持ちながらも普遍的なラブソングとして支持され、ベイビーフェイスの「Everytime I Close My Eyes」は90年代R&Bのプロダクションを牽引した張本人らしい、丁寧なメロディ運びが際立つ。シェリル・クロウの「If It Makes You Happy」は、ロック的な荒さと内省的な歌詞世界を両立させ、当時の女性シンガーソングライターの存在感を象徴していた。

ロックのベテラン勢も健在で、ヴァン・ヘイレンの「Me Wise Magic」はサミー・ヘイガー脱退後のベスト盤に収録された楽曲としてバンドの転換期を物語り、ビートルズの「Ob-La-Di, Ob-La-Da」がチャートに顔を出すのは、90年代半ばに巻き起こった「アンソロジー」シリーズによる再評価ブームの余波だろう。マドンナの「You Must Love Me」は映画『エビータ』のサウンドトラックからの一曲で、女優としての新境地とポップスターとしてのキャリアを重ね合わせる意味合いも持っていた。サイモン・リー率いるシンプリー・レッドの「Angel」やヴァネッサ・ウィリアムスによる「Alfie」のカバーも、大人向けのポップ/ソウルの成熟を感じさせる。

そして10位にはUAの「リズム」がランクイン。海外のヒット曲が並ぶ中に日本のアーティストが自然に溶け込むのは、東京という都市のリスナー感覚を映す「TOKIO HOT 100」らしい編成であり、UAの独特な歌声とグルーヴ感は、洋楽的な文脈でも十分に渡り合える存在感を放っていた。

ジャンルもルーツも異なる10曲が同じ週にひしめき合うこの並びは、CDが最も売れ、MTVやFMラジオが音楽の入口として機能していた90年代半ばという時代の豊かさそのものだ。「Virtual Insanity」が頂点に立ったこの週は、ダンス・ミュージックの快楽と、テクノロジー社会への予感めいた不安が同居する、いかにも世紀末前夜らしい一枚のスナップショットとして振り返ることができる。

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1996年11月17日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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