TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1998年11月22日放送)

TOKIO HOT 100 1998-11-22 放送回ランキング ランキング

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1998年11月22日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1998年11月22日放送回)。

この週の音楽シーン

1998年11月22日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いたのはベックの「TROPICALIA」だった。この曲は、彼が1998年に発表したアルバム「MUTATIONS」からのナンバーで、タイトルが示す通り、1960年代後半にブラジルで巻き起こった音楽運動「トロピカリア」へのオマージュが色濃く反映された一曲だ。カエターノ・ヴェローゾやガル・コスタといった名前が思い浮かぶあの運動の熱量を、ロサンゼルス出身のミクスチャー感覚あふれるアーティストが独自の解釈で蘇らせた点に、当時のリスナーは新鮮な驚きを覚えたはずだ。それまでの「ODELAY」で見せたサンプリング主体のヒップホップ的アプローチとは一線を画し、生楽器の温もりとアコースティックな質感を前面に押し出したこの曲は、ベックというアーティストの引き出しの多さを改めて証明するものだった。

この週のチャート全体を眺めると、90年代後半という時代がくっきりと浮かび上がってくる。2位にはアラニス・モリセットの「THANK U」がランクイン。前作「Jagged Little Pill」で世界的成功を収めた彼女が、より内省的でスピリチュアルな方向へと歩みを進めていた時期の楽曲であり、当時のオルタナティブ・ロック/ポップシーンにおける女性アーティストの存在感を象徴していた。3位のローリン・ヒル「TO ZION」は、ヒップホップとソウルを高い次元で融合させた名盤「The Miseducation of Lauryn Hill」からの一曲で、母性というテーマを真正面から歌い上げた深みのある楽曲として、多くの批評家からも支持を集めていた。

4位にはU2の「SWEETEST THING」がランクインしており、ベテランバンドが自身の過去曲を再構築して新たな輝きを与えた例として興味深い。5位のファットボーイ・スリムによる「GANGSTER TRIPPIN’」は、ビッグビートというジャンルが世界的なムーブメントになりつつあった時代を象徴する存在で、クラブミュージックとロックの垣根が急速に低くなっていく90年代末の空気を伝えている。6位のオアシスは「STAY YOUNG」で、ブリットポップの余韻がまだ色濃く残る中、英国ロックの底力を見せつけていた。

7位にはセリーヌ・ディオンとR・ケリーが共演した「I’M YOUR ANGEL」がランクインし、ポップスとR&Bの境界を越えたコラボレーションが商業的にも大きな成功を収めていたことがうかがえる。8位のビースティ・ボーイズ「BODY MOVIN’」は、彼らならではのファンクネスとユーモアが炸裂する一曲で、9位のシールによる「HUMAN BEINGS」は、深みのあるボーカルで独自の存在感を放っていた。10位にはベイビーフェイスの「YOU WERE THERE」がランクインし、R&Bプロデューサーとしてもシンガーとしても幅広く活躍していた彼の一面を伝えている。

こうして並べてみると、この週のTOP10は、オルタナティブ・ロック、ヒップホップ、R&B、クラブミュージックといった複数のジャンルが互いに影響を与え合いながら共存していた90年代末の音楽シーンの縮図と言えるだろう。ベックの「TROPICALIA」が1位に立ったこと自体が、ジャンルの垣根を軽やかに飛び越える時代精神を体現していたのかもしれない。

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1998年11月22日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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