TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2000年11月12日放送)

TOKIO HOT 100 2000-11-12 放送回ランキング ランキング

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2000年11月12日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2000年11月12日放送回)。

この週の音楽シーン

2000年11月12日放送分の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、スガ シカオの「AFFAIR」だった。90年代後半のデビュー以来、ファンクやソウルを下敷きにした粘っこいグルーヴと、生活実感に根差した歌詞で独自の立ち位置を築いてきたスガ シカオにとって、この曲もまた都会的な倦怠感と情念を滲ませる一曲として、当時の邦楽シーンにおける「作家性の強いポップス」の代表格だったといえる。派手なフックで押し切るのではなく、リズムの間とヴォーカルの質感で聴かせるタイプの楽曲が邦楽チャートの頂点に立っていたことは、この時代のJ-WAVEらしい選曲感覚をよく表している。

この週のTOP10を眺めると、洋楽と邦楽がまったく分け隔てなく並んでいるのが印象的だ。2位にはU2の「Beautiful Day」。90年代の実験的なサウンドから一転し、原点回帰的なロックンロールの高揚感を取り戻した曲として、当時のロックファンの間でも大きな話題になっていた。3位のマドンナ「Music」は、それまでの生音志向のポップスからエレクトロ/ダンス色を強めた転換点にあたる楽曲で、次のディケイドを予感させるサウンドプロダクションが新鮮に響いていた。4位のリッキー・マーティン「She Bangs」は、90年代末から続くラテン・ポップブームの余熱を感じさせるトラックであり、8位のバックストリート・ボーイズ「Shape Of My Heart」とあわせて、当時のUSポップスがボーイズグループとラテン系アーティストの双方から支えられていたことを思い出させる。

邦楽勢に目を移すと、5位に平井堅「LOVE OR LUST」、6位にMISIA「Everything」、7位に矢井田瞳「My Sweet Darlin’」と、それぞれ異なるタイプの歌声が並んでいるのが興味深い。平井堅は艶やかなファルセットを軸にしたソウルフルな歌唱で独自の世界観を確立しつつあった時期であり、MISIAは伸びやかで力強いヴォーカルによってR&B的な歌唱法を広く一般に浸透させた立役者の一人だった。「Everything」はその年を代表する一曲として多くのリスナーの記憶に残っている。一方の矢井田瞳は、ギターを携えたシンガーソングライターとして瑞々しい存在感を放っており、邦楽のポップスシーンにおける表現の幅広さをこのチャートは端的に示している。

9位のシャンテ・ムーアは、しなやかなR&Bヴォーカルでアメリカのブラックミュージック・シーンを支えてきたアーティストであり、10位のリンプ・ビズキットは当時勢いを増していたニューメタル/ラップロックの潮流を象徴する存在だった。ラップとロックの融合というサウンドは、90年代末から2000年代初頭にかけてのロックシーンにおける一つの大きなトレンドであり、この曲がTOP10に食い込んでいること自体が時代の空気を物語っている。

こうして振り返ると、この週のTOP10は、ジャンルも国籍も歌唱スタイルもばらばらな楽曲が、あくまで「良い曲かどうか」という一点でフラットに並んでいたことがよくわかる。スガ シカオという作家性の強いシンガーソングライターが、U2やマドンナといった世界的アーティストと肩を並べて1位を獲得していたという事実は、当時のFM文化がジャンルの垣根を軽々と越えていたことの何よりの証拠だろう。二十年以上を経た今聴き直しても、それぞれの曲が持つ個性はまったく色褪せていない。

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2000年11月12日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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