TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2009年7月19日放送)

TOKIO HOT 100 2009-07-19 放送回ランキング ランキング

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2009年7月19日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2009年7月19日放送回)。

この週の音楽シーン

2009年7月19日放送回の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、木村カエラの「BUTTERFLY」だった。木村カエラといえば、モデル出身という異色の経歴を持ちながら、独特のファッションセンスと英語混じりの歌詞回しで独自のポジションを築いてきたアーティストである。デビュー当初からロックやポップスの要素を柔軟に取り込みながら、聴き手に「軽やかさ」と「芯の強さ」を同時に感じさせるボーカルスタイルを持ち味としてきた。「BUTTERFLY」というタイトルからも連想されるように、変化や解放感をイメージさせるモチーフは、彼女のキャリアにおける一つの節目を象徴する楽曲として受け止められていたように思う。

この週のTOP10を眺めると、2009年という年がいかに音楽シーンの過渡期であったかがよくわかる。2位にはPerfumeの「NIGHT FLIGHT」がランクインしており、中田ヤスタカプロデュースによるテクノポップサウンドが日本の音楽シーンに新しい風を吹き込んでいた時期と重なる。3位のSUPERFLYはロック色の強いボーカルで独自のポジションを確立しつつあり、女性シンガーの多様化が進んでいたことがうかがえる。そして4位にはBLACK EYED PEASの「I GOTTA FEELING」がランクイン。この曲は同年、世界的な大ヒットとなり、EDM的なアプローチをメインストリームに押し上げた記念碑的な楽曲として、後の音楽シーンにも大きな影響を残すことになる。

5位の倖田來未「LICK ME」、6位のスガシカオ「PARTY PEOPLE」といった顔ぶれからは、J-POPのベテラン勢が引き続き存在感を示していたことも読み取れる。倖田來未はセクシーさと歌唱力を両立させたスタイルで独自のファン層を持ち、スガシカオはファンクやソウルの要素を取り入れた大人のポップスで安定した支持を集めていた時期だ。8位のLAURA IZIBORや10位のDIANE BIRCHといった海外の新進女性シンガーソングライターの名前が並んでいるのも、当時のTOKIO HOT 100らしいセレクションといえる。ソウルフルなピアノサウンドを基調としたこの二人は、当時のブラックミュージック/ソウルリバイバルの流れを象徴する存在として、洋楽リスナーの間でも注目されていた。

木村カエラの「BUTTERFLY」がこうした多彩な顔ぶれの頂点に立ったことは、彼女の音楽性がジャンルを横断して受け入れられていたことの証左でもあるだろう。ロック、ポップ、ソウル、テクノ、そして海外のヒット曲までもが同じチャートの中で肩を並べていたこの時期は、iTunes StoreやYouTubeといったデジタルプラットフォームが本格的に普及し始め、リスナーの音楽の聴き方そのものが変わりつつあったタイミングでもあった。ラジオという媒体がそうした多様な音楽をひとつのチャートとしてまとめ上げていたこと自体、2009年という時代の面白さを物語っている。

今あらためてこの週のTOP10を振り返ると、木村カエラという一人のアーティストの軽やかな存在感が、ジャンルの垣根を越えたリスナーの心をつかんでいたことがよくわかる。「BUTTERFLY」というタイトルに込められた変化や飛躍のイメージは、彼女自身のキャリアだけでなく、当時の音楽シーン全体が新しいフェーズへと羽ばたこうとしていた空気感とも重なって聴こえてくる。時代の交差点に立つこの1曲を、当時のプレイリスト感覚で聴き直してみるのも一興だろう。

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2009年7月19日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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