TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2016年1月24日放送)

TOKIO HOT 100 2016-01-24 放送回ランキング ランキング

本ページには広告(Amazonアソシエイト・楽天アフィリエイト等)を含みます。

2016年1月24日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2016年1月24日放送回)。

この週の音楽シーン

2016年1月24日のTOKIO HOT 100は、時代の分岐点を切り取ったような一枚に仕上がっている。1位に輝いたのはSUCHMOSの「STAY TUNE」。茅ヶ崎出身の6人組が鳴らす、レイドバックしたグルーヴとネオソウル/ブラックミュージックの語法を通過した歌謡性は、当時の若いリスナーだけでなく、洋楽的な耳の肥えたリスナーにも新鮮に響いた。分厚いベースラインとタイトなドラム、ヤマジケンのギターカッティング、そしてYONCEの脱力したフロウが絡み合うこの曲は、後に「シティポップ再評価」という大きな潮流を語るうえで欠かせない起点のひとつとして記憶されている。派手なフックで押し切るのではなく、グルーヴそのものに身を委ねさせる作りは、当時の邦楽シーンの中でも異色であり、それがラジオのチャートで支持されたこと自体が象徴的だった。

この週の順位表を眺めると、単なる偶然とは思えない配置に気づく。4位にはDAVID BOWIEの「LAZARUS」。ボウイは2016年1月10日に69歳でこの世を去っており、放送日はその報せから二週間ほどが経ったタイミングにあたる。遺作『★(ブラックスター)』からのこの曲は、もとより死を見据えたような静謐さと緊張感を纏っていたが、本人の死という現実を経て聴くリスナーにとっては、追悼の意味合いを強く帯びていたはずだ。3位のMETAFIVEも見逃せない。高橋幸宏や小山田圭吾らベテランが集った「フューチャー・パンク」を掲げるこのユニットの存在は、日本の音楽シーンにおける世代を超えた実験精神の継承を感じさせ、SUCHMOSのような若手の台頭と並べて聴くと、当時の東京の音楽シーンが持っていた層の厚さが見えてくる。

邦楽勢はほかにも多彩だ。2位のゲスの極み乙女。は、変拍子やアレンジの奇抜さをポップスの枠組みに落とし込むバンドとして支持を集めていたし、5位のスガシカオはベテランらしい円熟した歌詞世界とサウンドメイクで存在感を放つ。7位のゆず、8位の藤原さくら、10位のMrs. GREEN APPLEといった顔ぶれも、ストリートから育ったフォーク/ロックの系譜から、瑞々しいシンガーソングライター、そしてバンドサウンドを軸にしたポップスまで、幅の広さを物語っている。

一方で洋楽勢も充実していた。6位のADELEは前年リリースのアルバム『25』が世界的な記録的セールスを記録していた真っ只中であり、失恋というテーマを圧倒的な歌唱力で普遍化する力を見せつけていた。9位のCOLDPLAYもアルバム『A Head Full of Dreams』からのシングルで、スタジアムロックの枠を超えてダンスミュージック的な高揚感を取り入れた作風が話題になっていた時期にあたる。

こうして俯瞰すると、この週のTOP10は「新しい国内バンドの台頭」「巨星の喪失と追悼」「ベテランの実験精神」「洋楽ポップスの成熟」という複数の物語が同時進行していたことがわかる。SUCHMOSの1位はその中心で、これから数年続く邦楽シーンの空気の変化を静かに予告していたようにも思える。当時この時間にラジオへ耳を傾けていたリスナーは、知らず知らずのうちに、後年振り返られることになる転換点に立ち会っていたのかもしれない。

🎧 この曲を聴くなら[PR]

2016年1月24日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

スピーカーで鳴らすなら[PR]

次の週(2016年1月31日) »

あわせて読みたい

コメント

タイトルとURLをコピーしました