TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2021年3月14日放送)

TOKIO HOT 100 2021-03-14 放送回ランキング ランキング

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2021年3月14日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2021年3月14日放送回)。

この週の音楽シーン

2021年3月14日という放送日は、東日本大震災から10年の節目を数日前に迎えたばかりの週末だった。長引く新型コロナウイルス禍のもとで迎える二度目の3月であり、緊急事態宣言下の東京では、リスナーの多くが在宅時間の中でラジオに耳を傾けていた時期でもある。そんな空気の中でTOKIO HOT 100の頂点に立ったのが、aikoの「磁石」だった。

aikoは1990年代末のデビュー以来、独特の言葉選びとメロディラインで幅広い世代から支持を集め続けてきたシンガーソングライターだが、2020年代に入ってもその創作意欲は衰えを見せず、むしろ円熟味を増しながら新曲を送り出し続けている点が印象的だった。「磁石」がこの週の1位に輝いたことは、コロナ禍で人と人との距離が物理的に遠ざけられていた時代において、誰かとの結びつきや引き寄せ合う感情を歌う楽曲が多くのリスナーの心に響いたことの表れとも言えるだろう。長年のファンだけでなく、ラジオを通じて新たにその魅力に触れたリスナーも少なくなかったはずだ。

TOP10全体を眺めると、当時の音楽シーンの多様さがよく見えてくる。2位には東京スカパラダイスオーケストラが長谷川白紙を迎えた楽曲がランクイン。ジャンルを横断するコラボレーションが日本のポップスシーンで盛んに行われていた時期であり、スカパラの柔軟な音楽性と、当時急速に注目を集めていた長谷川白紙の実験的な感性が組み合わさったことは、多くの音楽ファンの話題をさらった。3位には星野源、5位にはOfficial髭男dism、10位には藤井風と、それぞれ異なるアプローチで日本のポップスを更新し続けるアーティストたちが名を連ねている。藤井風はこの頃デビューして間もない時期にあたり、独自の言語感覚とソウルフルな歌唱で急速にリスナー層を広げていた渦中だった。

洋楽勢にも注目すべき動きがある。8位にランクインしたブルーノ・マーズとアンダーソン・パアクによる「Leave The Door Open」は、後にシルク・ソニックとして本格始動する二人のユニットの始まりを告げる楽曲であり、ソウルやファンクへのリスペクトに満ちたサウンドが世界中で高く評価されていた。9位のテイラー・スウィフトによる「Love Story (Taylor’s Version)」は、過去の楽曲を自身の手で再録音するという当時始まったばかりのプロジェクトの一環であり、音楽業界における権利や表現の在り方を巡る議論とも重なりながら大きな注目を集めていた。4位のアルフィー・テンプルマンや6位のデイグロウといった存在は、ベッドルームポップやインディー感覚を持ったアーティストが国境を越えて支持を広げていた当時のグローバルな潮流を象徴していたと言える。

こうして振り返ると、この週のチャートは邦楽・洋楽、ベテラン・新鋭、メインストリームとオルタナティブが自然に交差する、コロナ禍という特殊な状況下だからこそ生まれた多様な聴取のかたちを映し出していたように思える。頂点に立ったaikoの「磁石」を軸に、当時のリスナーがどんな気持ちで音楽と向き合っていたのかを想像しながら聴き直してみると、また違った発見があるかもしれない。

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2021年3月14日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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