TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2003年9月21日放送)

TOKIO HOT 100 2003-09-21 放送回ランキング ランキング

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2003年9月21日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2003年9月21日放送回)。

この週の音楽シーン

2003年9月21日のTOKIO HOT100で首位に立ったのは、元ちとせの「いつか風になる日」だった。奄美出身の彼女は独特の裏声とコブシを効かせた歌唱法で知られ、デビュー曲「ワダツミの木」で一気に注目を集めた歌い手だ。この曲でも、島唄の発声をポップスのフォーマットに溶け込ませるという、当時のJ-POPシーンでは異色ともいえるアプローチが貫かれている。2003年前後は宇多田ヒカルや倉木麻衣ら「歌唱力とR&B的洗練」を軸にした女性シンガーが目立つ一方で、元ちとせのように日本各地の民謡的発声をルーツに持つアーティストが都会的なチャートに食い込んでくること自体が、邦楽の多様性を象徴する出来事だったように思う。

2位以下を見渡すと、この週のTOP10は洋楽勢の存在感が際立っている。ケミカル・ブラザーズがフレーミング・リップスのウェイン・コインをフィーチャーした「THE GOLDEN PATH」は、ビッグビートとオルタナ・ロックの融合という当時ならではの実験精神を感じさせるし、メアリー・J・ブライジとメソッド・マンによる「LOVE@1ST SIGHT」は、ヒップホップとR&Bのクロスオーバーがすでに当たり前になっていた時代の空気をよく伝えている。ファレル・ウィリアムスがジェイ・Zを迎えた「FRONTIN’」も、プロデューサーとしてだけでなくソロアーティストとしての顔を打ち出し始めた頃の一曲で、ネプチューンズ・サウンドの浸透ぶりがうかがえる。

さらにブラック・アイド・ピーズがジャスティン・ティンバーレイクを迎えた「WHERE IS THE LOVE」は、社会的なメッセージ性とポップさを両立させた楽曲として、後の彼らの方向性を予感させるものだった。10代女性シンガーのステイシー・オリコや、ロック色の強いリリックス、ゼブラヘッドといった名前が並ぶあたりにも、2003年という年がジャンルの垣根が緩やかに溶け合っていた時期であったことが表れている。

邦楽勢では、山崎まさよしの「風の伝言(メッセージ)」やBIRDの「チャンス」がランクインしている点も興味深い。山崎まさよしはギタリストとしての実力とソングライターとしての情感豊かな歌詞世界で、この時期すでに邦楽ロック・フォークの重要な存在になっていたし、BIRDはクラブジャズやソウルの文脈から出てきたシンガーとして、洋楽的な洗練を邦楽に持ち込む役割を担っていた。こうした顔ぶれを見ると、この週のチャートは洋楽・邦楽の境界を意識させない、フラットなリスニング感覚が支配的だったことがよくわかる。

今こうして振り返ると、2003年秋という時期は、ヒップホップ/R&Bのメインストリーム化、エレクトロニカとロックの融合、そして日本独自の歌唱表現の台頭が同時並行で進んでいた、非常にスリリングな瞬間だったと言える。元ちとせの「いつか風になる日」が首位に立ったこと自体が、そうした多様な潮流の一つの結節点だったのではないだろうか。

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2003年9月21日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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