TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2022年11月6日放送)

TOKIO HOT 100 2022-11-06 放送回ランキング ランキング

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2022年11月6日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2022年11月6日放送回)。

この週の音楽シーン

2022年11月6日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、藤井風の「GRACE」だった。この年の藤井風は、国内外での評価を急速に高めていた時期にあたる。ピアノを軸にしたソウルフルな歌唱と、岡山弁を交えた独特の言語感覚で早くから注目されていたが、2022年に入ってからは海外メディアでも取り上げられる機会が増え、日本発のシンガーソングライターとして国境を越えた聴かれ方をし始めていた。「GRACE」はそうした流れの中でリリースされた楽曲で、ゴスペルやR&Bのエッセンスを吸収したアレンジと伸びやかなボーカルが印象的な一曲だ。派手な仕掛けに頼らず、声とメロディそのもので聴かせる姿勢は、当時のJ-POPの中でも異彩を放っていたと言える。

この週のTOP10を眺めると、洋楽と邦楽がほぼ拮抗して並んでいるのが興味深い。3位にはテイラー・スウィフトの「ANTI-HERO」がランクインしている。アルバム『Midnights』からの一曲で、自身の内面や自己像への葛藤をポップに昇華したこの曲は、世界的なヒットとなり、日本のリスナーにも広く届いていた。8位のエド・シーラン「CELESTIAL」、5位のルイ・コールなど、ジャンルも国籍も多様な楽曲が同居している様子から、当時のシティポップ的なリスナー感覚——ジャンルレスに良質な音楽を選び取る空気——がうかがえる。

邦楽勢では6位に米津玄師の「KICK BACK」がランクインしている。この楽曲は人気アニメ作品とのタイアップで大きな話題を呼んだ時期で、疾走感のあるサウンドと攻撃的な歌唱スタイルが従来の米津玄師のイメージを更新するものとして注目を集めていた。2位のOfficial髭男dismの「SUBTITLE」は、バンドらしい厚みのあるサウンドとキャッチーなメロディで安定した支持を得ており、当時のJ-POPシーンにおける「王道」を体現する存在だったと言えるだろう。9位のSIRUP「BE THE GROOVE」は、シティポップ以降のR&B/ソウル的な感覚を持つ国内アーティストの台頭を象徴する一曲で、藤井風と並んでこの時期の邦楽シーンにおけるグルーヴ志向の高まりを感じさせる。

10位のダグロウ「RADIO」や7位のリュックと添い寝ごはん「THANK YOU FOR THE MUSIC」といった楽曲が並ぶことからも、インディー・オルタナティブな感性を持つアーティストがチャートに食い込んでくる柔軟さが、この番組らしさだったのではないだろうか。ストリーミングサービスの普及によってリスナーの選択肢が格段に広がり、メジャー・インディー、洋楽・邦楽の垣根が実質的になくなっていった時代の空気を、このTOP10は色濃く映し出している。

あらためて振り返ると、藤井風「GRACE」が1位に立ったこの週は、国内外の音楽シーンが緩やかに溶け合いつつあった過渡期を象徴する一週だったように思う。声とメロディの力で勝負するシンガーが世界的なヒット曲と肩を並べる光景は、当時のリスナーにとっても新鮮な体験だったはずだ。数年後の耳で聴き直しても、この並びの多様性とバランスの良さは色褪せていない。

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2022年11月6日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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