TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2020年11月1日放送)

TOKIO HOT 100 2020-11-01 放送回ランキング ランキング

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2020年11月1日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2020年11月1日放送回)。

この週の音楽シーン

2020年11月1日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、AIKOの「ハニーメモリー」だった。この年は新型コロナウイルスの影響で人々の生活様式が大きく変わり、音楽の聴かれ方も一変した年である。ライブ会場に足を運べない日々が続くなかで、自宅で過ごす時間に寄り添うような楽曲が求められていた時期だったと言える。AIKOはデビューから長く日本の音楽シーンで独自の位置を築いてきたアーティストであり、恋愛の切なさや日常の中の小さな幸福を丁寧にすくい取る歌詞世界と、耳に残るメロディラインが持ち味だ。「ハニーメモリー」がこの週の頂点に立ったことは、閉塞感のある時代のなかでリスナーが温かみのある音楽を求めていたことの表れとも読み取れる。

TOP10全体を見渡すと、この週は洋楽と邦楽、さらにK-POPが入り混じる非常に国際色豊かなランキングになっている点が印象的だ。2位にはBLACKPINKの「LOVESICK GIRLS」がランクインしており、K-POPの世界的な躍進が可視化された時期であったことがうかがえる。4位のBTS「DYNAMITE」は、この年に彼らが英語詞で本格的に海外市場へアプローチした代表曲であり、K-POPがローカルなジャンルから完全にグローバルなポップミュージックの主流へと移行していく過程を象徴する存在だった。ディスコ・ファンク調のアッパーなサウンドは、コロナ禍で沈みがちな気分を吹き飛ばすような明るさを持っており、多くの人に希望を与えた楽曲としても記憶されている。

3位のBEABADOOBEEはUKのベッドルームポップ/インディーシーンを代表する存在で、当時十代から二十代の若い世代を中心に静かに支持を広げていたアーティストだ。5位のCELESTEもイギリスのソウルフルな新人シンガーとして注目されており、この時期の欧米インディー・R&B系アーティストの充実ぶりがランキングからも感じられる。6位のDavid Guetta and Siaはダンスミュージックの王道タッグであり、8位のArianaGrandeの「positions」は同年秋にリリースされたアルバムのタイトルトラックで、彼女のキャリアにおける成熟期を示す一曲だった。

邦楽勢にも注目したい。7位のROTH BART BARONは、バンドサウンドと文学的な世界観を融合させた音楽性で日本のオルタナティブシーンを支えてきた存在であり、「極彩」はその独特な美意識が凝縮された楽曲だ。9位の藤原さくらは、シンガーソングライターとしての柔らかな声質と洗練されたポップセンスで、邦楽と洋楽が並ぶこのチャートの中でも違和感なく存在感を放っている。10位のmerci,mercyは当時新しい世代のシティポップ/グルーヴ感のあるサウンドを提示していたユニットで、こうした才能が上位に食い込んでくること自体が、この時期の日本の音楽シーンの多様性と豊かさを物語っていた。

2020年秋という特殊な時代背景のなかで、このTOP10は国境やジャンルを越えた音楽の交差点として機能していた。AIKOの「ハニーメモリー」が1位に立ったこの週のランキングは、混乱の時代にあっても人々が音楽から癒しと高揚感の両方を求めていたことを静かに伝えてくれる、貴重な記録である。

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2020年11月1日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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