TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2023年10月29日放送)

TOKIO HOT 100 2023-10-29 放送回ランキング ランキング

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2023年10月29日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2023年10月29日放送回)。

この週の音楽シーン

2023年10月29日放送回の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、藤井風の「花」だった。映画「花に亡霊」の主題歌として世に出たこの曲は、彼のトレードマークであるゴスペルの残響を思わせるコーラスワークと、岡山弁のニュアンスを滲ませた歌い回しが同居する一曲で、ピアノの静けさから始まり徐々に情感が満ちていく構成が印象的だ。海外のR&Bやソウルを吸収しながらも、日本語の語感を大切にする姿勢は、彼がデビュー当初から一貫して貫いてきたものであり、この週の1位という結果は、邦楽ポップスがジャンルの垣根を越えて評価される時代の空気をそのまま映し出していたと言える。

この週のTOP10を見渡すと、国境やジャンルを超えた並びの豊かさが際立つ。2位にはオーストラリア出身のトロイ・シヴァンが「GOT MEStarted」でランクインし、洗練されたシンセポップのセンスを見せつけた。5位と7位にはBTSのジョングクがソロ活動として「SEVEN」「3D」の2曲で名を連ねており、グループ活動と並行して個人としての音楽性を確立しようとする時期の勢いが感じられる。ラトーやジャック・ハーロウといった米ヒップホップ・R&Bシーンの顔ぶれとのコラボレーションも、Kポップアーティストがグローバル市場でどのように立ち位置を作っていたかを物語る材料だ。

邦楽勢では、TOMOOの「SUPER BALL」やVAUNDYがコーリー・ウォンを迎えた「トドメの一撃」、BE:FIRSTの「MAINSTREAM」、Adoの「唱」など、それぞれ異なるアプローチで存在感を放っていた。TOMOOのやわらかなメロウネス、VAUNDYの実験精神とファンクギタリストとの共演、BE:FIRSTのダンスミュージックとしての強度、そしてAdoの圧倒的な歌唱力とアニメーション作品との結びつき。これらが同じチャートの中で並び立つ様子は、当時のリスナーが求めていた音楽の幅広さをそのまま反映していたのではないだろうか。

また6位のラウフェイ、10位のジェニーの存在も見逃せない。ラウフェイはジャズやクラシックの語法をポップスに溶け込ませる独自の作風で静かな支持を広げていたアーティストであり、ジェニーはBLACKPINKのメンバーとしてだけでなく、ソロとしての音楽性を模索していた時期だった。こうした顔ぶれが並ぶことで、2023年秋という時期が、Kポップ、USヒップホップ、ジャズ的ポップス、そして日本のシンガーソングライターの感性が同じ土俵で評価される、非常に流動的で刺激的な瞬間だったことが伝わってくる。

そのなかで「花」が首位に立ったという事実は、静けさと祈りにも似た情感を持つ楽曲が、多様な音楽性がひしめく中でもリスナーの心を捉えたことを示している。派手さではなく、丁寧に積み重ねられた音の質感と歌詞の届け方が評価された結果だとすれば、当時のシーンにおいて「静かな強さ」を持つ音楽への渇望があったのかもしれない。今振り返っても、このTOP10の並びは一枚の写真のように、その時代の空気を鮮やかに閉じ込めている。

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2023年10月29日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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