2016年5月29日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2016年5月29日放送回)。
この週の音楽シーン
2016年5月29日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、ジャスティン・ティンバーレイクの「CAN’T STOP THE FEELING!」だった。この曲はアニメーション映画「トロールズ」のために書き下ろされた楽曲で、彼自身が声優としても参加した作品の主題歌にあたる。ダンス・ミュージックとポップスのど真ん中を突き抜けるような明るいトラックは、2016年という年の空気そのものを体現していたように思う。当時のポップシーンはEDMブームがひと段落し、より軽やかでフィジカルな高揚感を志向するダンスポップへと潮目が変わりつつあった時期で、この曲はその転換点を象徴する一曲として世界中のチャートを賑わせていた。
TOP10全体を見渡すと、洋楽と邦楽が自然に混ざり合うプレイリスト的な感覚がよく表れている回だったと言える。2位にはaikoの「信号」がランクインしており、彼女らしい生活実感の滲む歌声が、洋楽勢のきらびやかなサウンドと並んでも埋もれない存在感を放っていた。3位のアリアナ・グランデ「INTO YOU」は、当時のR&B色を帯びたポップスの潮流を体現する楽曲で、彼女がティーン向けアイドルから大人のポップスターへと脱皮していく過程の重要な一曲だった。
邦楽勢では4位に石崎ひゅーいの「花瓶の花」がランクイン。シンガーソングライターとして楽曲提供でも評価を高めていた彼が、自身名義でリスナーの心を掴んだ楽曲として印象深い。7位にはスピッツの「みなと」がランクインしており、デビューから長い年月を経てもなお新曲がチャートに食い込む安定感は、バンドの地力を物語っている。9位には安室奈美恵の「MINT」がランクイン。この時期の彼女は攻めたビートやサウンドプロダクションへの意欲を見せており、シティ・ポップ的な洗練とダンスミュージックの融合を追求していたことがうかがえる。
洋楽勢に目を移すと、5位のレッド・ホット・チリ・ペッパーズ「DARK NECESSITIES」は、ロックバンドが2010年代半ばの音楽シーンにおいてなお存在感を放っていたことを示す一曲だ。プロデューサーにダンガーマウスを迎え、従来のファンクロックにモダンな質感を加えた作りは、ベテランバンドの進化を感じさせるものだった。8位のミーガン・トレイナーの「NO」は、前作「All About That Bass」以降、自己肯定感をテーマにしたポップソングを次々と生み出していた彼女の勢いを示す楽曲。10位のカルヴィン・ハリス feat.リアーナ「THIS IS WHAT YOU CAME FOR」は、EDM系プロデューサーがポップスターとタッグを組む座組みが定着していたこの時代らしい一曲で、フェスやクラブだけでなくラジオでも支持される懐の深さを持っていた。
6位のザ・プールサイド「HELLO RADIO」も見逃せない。国内のシティ・ポップ/AOR的な感性を継承するバンドとして、洋楽的な洗練を邦楽の文脈に持ち込む存在感を放っていた。こうして並べてみると、この週のチャートはメインストリームのダンスポップから邦楽の情感豊かな楽曲、ロックバンドの現在進行形、国内シーンの新しい潮流まで、実に多層的な構成になっていたことがわかる。ジャスティン・ティンバーレイクの祝祭的な一曲を頂点に据えつつ、多様な音楽性が共存していたこの回は、2016年という時代の音楽シーンの豊かさを凝縮した一枚のスナップショットとして、今振り返っても聴きごたえがある。
2016年5月29日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 CAN’T STOP THE FEELING! — JUSTIN TIMBERLAKE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 信号 — AIKO ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 INTO YOU — ARIANA GRANDE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 花瓶の花 — 石崎 ひゅーい ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 DARK NECESSITIES — RED HOT CHILI PEPPERS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 HELLO RADIO — ザ・プールサイド ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 みなと — SPITZ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 NO — MEGHAN TRAINOR ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 MINT — 安室 奈美恵 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 THIS IS WHAT YOU CAME FOR — CALVIN HARRIS FEAT. RIHANNA ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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