TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1990年7月29日放送)

TOKIO HOT 100 1990-07-29 放送回ランキング ランキング

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1990年7月29日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1990年7月29日放送回)。

この週の音楽シーン

1990年7月29日の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、頂点に立っていたのはアニタ・ベイカーの「TALK TO ME」だった。アニタ・ベイカーといえば、深みのあるアルトの声質と、ジャズの語法を大胆に取り入れたヴォーカル表現で、80年代半ば以降のアーバン・コンテンポラリー/クワイエット・ストーム系のR&Bを象徴する存在だった一人だ。派手なビートやシンセの装飾に頼らず、じっくりと歌の間を聴かせる彼女のスタイルは、ダンスやラップが台頭してきたこの時期のチャートの中にあって、むしろ異彩を放つ落ち着いた存在感を放っていたと言える。1990年という年は、ちょうど音楽シーンの主役交代が進んでいた時期でもある。TOP10を見渡すと、その空気がよくわかる。2位にはプリンス一派の中でもファンクの化身のようなザ・タイムが「JERK OUT」でランクインし、3位にはこの年最大の話題をさらったM.C.ハマーの「U CAN’T TOUCH THIS」が控えている。ダンサブルなビートとサンプリングを武器にヒップホップがポップスの中心に躍り出ようとしていた時代の熱気が、この並びからも伝わってくる。一方で4位のジャネット・ジャクソンは、兄マイケルと並ぶポップ・アイコンとして、ダンスとメッセージ性を両立させた楽曲で存在感を示し続けていた。5位のリチャード・マークス、7位のウィルソン・フィリップスは、AOR的な洗練とアダルト・コンテンポラリーの心地よさを持つ楽曲で、当時のFM局が好んで選曲する層を代表していたと言えるだろう。6位のロクセットはスウェーデン出身ながら世界的なヒットを飛ばしていたポップ・デュオで、彼らの成功は米英中心だった洋楽市場が徐々にグローバル化していく兆しでもあった。8位のジョニー・ギル、9位のマキシ・プリーストは、R&Bやレゲエのしなやかな質感を持ち込みつつ、それぞれ違ったアプローチでソウルフルな歌を聴かせていた。10位のチープ・トリックは、70年代から活動するロックバンドがこの時期にも新曲でチャートに顔を出していたことを示しており、世代を超えたロックの底力を感じさせる。こうして眺めると、1990年7月末のTOP10は、クワイエット・ストーム、ファンク、ヒップホップ、ポップ、AOR、ロックといった多様なジャンルが同じチャートの中で並び立っていた、実に豊かな瞬間だったことがわかる。とりわけ1位のアニタ・ベイカーが体現していたのは、声そのもので聴かせる歌の強さであり、ビートやスタイルが目まぐるしく移り変わる中でも変わらず支持され続けた「歌唱力」への信頼だったのではないだろうか。派手さでは若い世代のヒップホップやダンス勢に譲るところがあっても、じっくりと部屋で聴きたくなるような深みのある歌声が、この週のリスナーの心を掴んでいたことは想像に難くない。当時のFM電波を通じて流れていたであろうこの一曲を思い浮かべながら、時代の折り重なりを楽しみたいコラムとした。

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1990年7月29日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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