TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2013年3月10日放送)

TOKIO HOT 100 2013-03-10 放送回ランキング ランキング

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2013年3月10日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2013年3月10日放送回)。

この週の音楽シーン

2013年3月10日の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、トップに立っていたのはワン・ダイレクションの「KISS YOU」だった。前年にデビューアルバム「Up All Night」で世界的なブレイクを果たした彼らは、この頃には次作「Take Me Home」を携えて、まさに勢いの絶頂期にあったバンドだ。「KISS YOU」はそのアルバムからのシングルで、ビーチ・ボーイズを思わせるコーラスワークや、60年代のガールズ・ポップ的なホーンアレンジを取り入れた、あっけらかんとした明るさが持ち味の一曲。ボーイズバンド然としたキャッチーさと、ソングライティング面でのしっかりしたポップ・クラフトマンシップが同居していて、単なるアイドル的存在ではなく音楽的にも侮れない存在であることを示していたように思う。当時はソーシャルメディアを通じてファンダムが急速に拡大していく過渡期でもあり、彼らの人気の広がり方そのものが、その後のポップミュージックの受容のされ方を先取りしていた側面もあったのではないか。

このTOP10を眺めると、いかにも2013年らしい多様さが浮かび上がってくる。2位にはMISIAが「つつみ込むように・・・」を15周年バージョンとしてセルフカバーで送り込んでおり、90年代末のJ-POPの名曲が新たな形で現在進行形のチャートに顔を出しているのが興味深い。3位のサカナクションは「ミュージック」で、当時彼らが追求していたダンスミュージックとロックバンドの融合をさらに深化させていた時期であり、この曲はまさにその実験精神が結実した一曲だった。4位のKREVAは日本語ラップのフィールドで独自の地位を確立し続けており、5位のNothing’s Carved In Stoneはロックバンドとしての存在感を放っていた。この並びだけでも、邦楽シーンの層の厚さがうかがえる。

一方で海外勢に目を向けると、6位にはトム・ヨークが参加するアトムス・フォー・ピース、9位にはEDMブームを象徴するZeddとマシュー・コーマの「Spectrum」がランクインしており、当時のダンスミュージックの世界的な勢いがそのまま反映されている。10位にはデスティニーズ・チャイルドの名前もあり、これはグループとしての再評価や再編集的な文脈で聴かれていたのだろう。7位のクリープハイプ、8位の電気グルーヴといった邦楽の異色勢もしっかり食い込んでおり、洋楽・邦楽、メインストリームとオルタナティブが分け隔てなく並ぶという、TOKIO HOT 100らしい懐の深いチャートだったことがよくわかる。

2013年という年は、EDMが世界的な主流として定着しつつある一方で、ロックバンドやシンガーソングライターの個性的な表現も並存していた、音楽の多様性が際立つ時期だった。ワン・ダイレクションの1位という結果は、ポップミュージックがジャンルの垣根を越えて広く聴かれていく時代の始まりを示す象徴的な出来事だったのかもしれない。こうして当時のTOP10を振り返ると、単なる懐かしさだけでなく、その後のシーンの変化を予感させる要素がすでに詰め込まれていたことに気づかされる。

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2013年3月10日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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