2010年11月14日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2010年11月14日放送回)。
この週の音楽シーン
2010年11月14日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、ジェイ・ケイ率いる英国のバンド、JAMIROQUAIの「WHITE KNUCKLE RIDE」だった。同曲は、2000年代半ばから活動のペースを落としていた彼らが約4年ぶりに世に送り出したアルバム「Rock Dust Light Star」からのシングルで、90年代のアシッドジャズ・ムーブメントを牽引した彼らが、ダンスフロア仕様のグルーヴと生バンドのファンクネスを同居させ続けていることを改めて示す一曲だった。奇抜な帽子と伸縮自在のファルセットで知られるジェイ・ケイのカリスマ性は健在で、シンセの艶やかなフレーズとタイトなリズム隊が絡み合うサウンドは、単なる懐古趣味ではなく、あくまで「今」のダンスミュージックとして鳴っていたところに、このバンドの底力を感じさせる。
この週のTOP10を見渡すと、洋楽・邦楽を問わず多彩な顔ぶれが並んでいるのも興味深い。2位のNE-YOはR&B/ポップスの分野で作家性とヒットメイカーとしての実力を兼ね備えたアーティストとして存在感を強めていた時期であり、3位のBON JOVIはロックバンドとして息の長いキャリアを持ちながらも新曲で第一線を維持し続けていた。そして4位には、当時まさにブレイクの真っ只中にあったBRUNO MARSの「JUST THE WAY YOU ARE」がランクイン。甘くストレートなラブソングとして、この年のポップシーンを象徴する一曲となった彼の存在は、後の音楽シーンの潮流を考えるうえでも欠かせない。
邦楽勢に目を向けると、5位に宇多田ヒカルの「GOODBYE HAPPINESS」がランクインしている。当時の宇多田ヒカルは「人間活動」に入ることを表明し、多くのリスナーがその動向を見守っていた時期であり、この曲が持つ独特の浮遊感とビートの鋭さは、彼女がJ-POPの枠に留まらない音楽性を追求し続けてきたことを象徴していたように思う。6位のSPITZ「シロクマ」は、デビューから長い年月を経てなお瑞々しいメロディセンスを保ち続けるバンドの底力を感じさせる楽曲であり、8位のいきものがかり「ありがとう」は、当時のJ-POPシーンにおいて幅広い世代に届く王道のポップスとして支持を集めていた。
7位のKESHA「WE R WHO WE R」、9位のPINKの「RAISE YOUR GLASS」は、いずれもこの時期の海外シーンにおけるパーティー・アンセム的な楽曲で、EDM的な高揚感がポップスのメインストリームに浸透しつつあった空気を伝えてくれる。10位のDEF TECHは日本語と英語を織り交ぜたスタイルで独自のポジションを築いてきたユニットで、その存在は当時のJ-POPが持っていた多様性の広がりを物語っている。
こうして振り返ると、この週のチャートは、90年代から活動を続けるベテランたちの底力と、まさに時代のうねりのなかで頭角を現していた新世代のアーティストたちが同じテーブルに並ぶ、実に贅沢な一週間だったことがわかる。JAMIROQUAIが1位を獲得したという事実そのものが、当時のリスナーがジャンルや世代を超えて「良い音楽」を求めていたことの証左であり、ダンスミュージックの古典的な魅力が色褪せることなく現在進行形で輝いていた瞬間を、このチャートは静かに記録している。
2010年11月14日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 WHITE KNUCKLE RIDE — JAMIROQUAI ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 BEAUTIFUL MONSTER — NE-YO ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 WHAT DO YOU GOT? — BON JOVI ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 JUST THE WAY YOU ARE — BRUNO MARS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 GOODBYE HAPPINESS — 宇多田 ヒカル ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 シロクマ — SPITZ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 WE R WHO WE R — KESHA ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 ありがとう — いきものがかり ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 RAISE YOUR GLASS — PINK ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 THE COME BACK — DEF TECH ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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