TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1997年3月9日放送)

TOKIO HOT 100 1997-03-09 放送回ランキング ランキング

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1997年3月9日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1997年3月9日放送回)。

この週の音楽シーン

1997年3月9日の週、J-WAVE「TOKIO HOT 100」の頂点に立ったのはBLURの「Beetlebum」だった。デーモン・アルバーンとグレアム・コクソンを中心とするこのバンドは、それまで「Parklife」や「Country House」といった作品で英国的な風刺とポップネスを極め、オアシスと並び称される形でブリットポップ最盛期を牽引してきた存在だ。しかし「Beetlebum」はその路線から大きく舵を切った一曲で、後半に向けてノイジーなギターへとなだれ込む構成や、どこかレノン期ビートルズを思わせるメロディの揺らぎは、USインディー/ローファイの空気を吸い込んだ結果と言われている。ブリットポップという言葉そのものが賞味期限を迎えつつあった時期に、その渦中にいたバンド自身が変化を選んだという点で、象徴的な1位だったと言える。

2位にはベン・フォールズ・ファイヴ。ピアノを主軸に据えたパワートリオという編成自体が当時としては異色で、シニカルな歌詞世界とポップな旋律の同居が評価されたグループだ。3位のエリック・クラプトン「Change The World」は映画『フェノミナン』の主題歌として広く親しまれ、ベテランがなお第一線でヒットを飛ばす存在感を示していた。4位のU2「Discotheque」はアルバム『Pop』からの一曲で、ダンスミュージックへの接近という当時のロックバンドに共通する潮流を体現していた。5位のエアロスミスもまた、映画『ナイン・ライブス』関連のバラードで幅広い層にリーチしており、この週のチャートはロックの大御所が映画音楽と結びつきながら存在感を保っていたことがうかがえる。

6位のニューヨリカン・ソウルはハウス/クラブミュージックの文脈から生まれたプロジェクトで、フィーチャーされたインディアの伸びやかな歌声とともに、ダンスフロア発の音楽がラジオチャートに食い込んでくる時代性を物語る。7位のジャミロクワイ「Cosmic Girl」はアルバム『Travelling Without Moving』からのシングルで、ファンクとアシッドジャズを軽やかに接続したこのバンドは、90年代半ばのUKクラブ・ポップの一つの到達点として存在感を放っていた。8位のザ・ワンダーズは、トム・ハンクス監督作『マイ・フレンド・フォーエバー』内の架空バンドとして生み出された「That Thing You Do!」の主人公たちで、映画のために書かれた擬似60年代ポップスが現実のチャートにまで浸透した珍しい例だった。

9位にはUAの「甘い運命」がランクイン。当時の日本の音楽シーンでは、ソウルやR&Bの語法を独自の感覚で消化するアーティストが台頭しつつあり、UAはその代表格として洋楽中心のこのチャートにも自然に並ぶ存在感を示していた。10位のマドンナ「Don’t Cry For Me Argentina」は映画『エビータ』の劇中歌であり、彼女自身が主演も務めたこの作品を通じて、ポップスターとしての新たな一面を打ち出した時期でもあった。

こうして見渡すと、この週のTOP10は映画とのタイアップ曲、クラブ/ダンス由来の楽曲、そしてブリットポップの転換点という、90年代半ばから後半にかけての音楽シーンの複数の潮流が同時に交差していたことがよくわかる。BLURが1位を飾ったこの週は、単なる一組のバンドの成功にとどまらず、時代そのものが次の局面へと動き出していたことを静かに告げていたのかもしれない。

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1997年3月9日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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