TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1991年4月21日放送)

TOKIO HOT 100 1991-04-21 放送回ランキング ランキング

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1991年4月21日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1991年4月21日放送回)。

この週の音楽シーン

1991年4月21日放送の「TOKIO HOT 100」でTOP10の頂点に立ったのは、スウェーデン出身デュオ、ROXETTEの「JOY RIDE」だった。前年の「The Look」や「Listen to Your Heart」で世界的な人気を確立した彼らにとって、この曲は勢いをそのまま持ち込んだ一撃だったと言える。パー・ゲッスルとマリー・フレデリクソンという男女ボーカルの組み合わせは、北欧特有の透明感のあるメロディセンスとアメリカンな躍動感を同時に鳴らすことができ、「JOY RIDE」もタイトル通りドライブ感のあるビートと開放的なコーラスが印象的な一曲だった。1991年という年は、洋楽シーンがまだMTVを中心とした大衆的なポップ・ロックの磁場を強く保っていた時期であり、こうしたヨーロッパ発のバンドがアメリカのチャートでも存在感を放っていたことは、当時の音楽産業のグローバルな流通構造を象徴していたようにも思える。

このTOP10を見渡すと、時代の多層性がよくわかる。2位にはウィルソン・フィリップスの「YOU’RE IN LOVE」がランクインしており、ビーチ・ボーイズやママス&パパスの血を継ぐ3人が奏でるハーモニーが、当時のアダルト・コンテンポラリー的な聴きやすさを提供していた。3位にはマライア・キャリーの「SOMEDAY」。デビューアルバムからのシングルであり、彼女がまだ「新星」として扱われていた時期の勢いが伝わってくる選曲だ。4位のC+C ミュージック・ファクトリーの「HERE WE GO」は、ダンス・ミュージックとヒップホップ的なグルーヴを融合させたプロダクションで、当時のクラブ・カルチャーとポップスの接近を体現していた。

さらに5位にはロバート・パーマーによるマーヴィン・ゲイのカバー「MERCY MERCY ME/I WANT YOU」、6位にはロッド・スチュワートの「RHYTHM OF MY HEART」が並び、ベテラン勢の健在ぶりも見て取れる。ロッド・スチュワートのこの曲は、ケルト的な響きを取り入れたアレンジが特徴的で、80年代的なロック然としたスタイルから少し距離を置いた、より成熟したサウンドを志向していたことがうかがえる。7位のスティーヴィー・Bはフリースタイル/ダンスポップの流れを継ぐ存在であり、8位の808 STATEはUKのアシッドハウス/テクノ由来のインストゥルメンタル的な質感を持ち込んでいる点で、TOP10の中でも異色の存在感を放っていた。9位のグロリア・エステファン、10位のロンドンビートも含め、このチャートはロック、ダンス、AOR、テクノが並列して聴かれていた時代の空気をそのまま切り取っている。

「TOKIO HOT 100」がこうした多様なジャンルを一つのチャートに収めていたこと自体が、1991年前後の洋楽リスナーの耳の広さを物語っている。CDが完全に主流となり、MTVや音楽専門誌からの情報が同時代性を持って日本にも届いていたこの時期、東京のリスナーはROXETTEのポップな疾走感と808 STATEの実験的なビートを同じ週末の同じ時間に聴いていたわけだ。今振り返ると、ジャンルの垣根がまだ緩やかで、ポップ・ミュージックという大きな器の中で様々な音楽が共存していた最後の時代だったのかもしれない。「JOY RIDE」というタイトルが示す気楽さと開放感こそ、この週のチャート全体を貫くムードだったように思える。

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1991年4月21日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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