TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1990年7月15日放送)

TOKIO HOT 100 1990-07-15 放送回ランキング ランキング

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1990年7月15日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1990年7月15日放送回)。

この週の音楽シーン

1990年7月15日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いていたのはウィルソン・フィリップスの「HOLD ON」だった。ザ・ママス&パパスのジョン・フィリップスとミシェル・フィリップスの娘であるチンシー・ウィルソンとカーニー・ウィルソン、そしてビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンの娘であるウェンディ・ウィルソンという、まさに西海岸ポップ/ロックの名門血統が集まった三人組が放ったこの楽曲は、透明感のあるハーモニーと front-loaded なメロディが持ち味で、当時のアメリカン・アダルト・コンテンポラリーの美しい到達点のひとつだったと言える。デビュー・アルバムからのシングルでありながら、親世代の音楽的遺伝子をきちんと受け継ぎつつ、90年代らしい洗練されたプロダクションを纏っていた点が新鮮に響いていたことを覚えているリスナーも多いだろう。

この週のTOP10を眺めるだけでも、1990年という年がいかに音楽的な過渡期であったかがよくわかる。2位にはスウェーデン出身のロクセットが「IT MUST HAVE BEEN LOVE」でランクインしており、ヨーロッパ発のロック・ポップスがアメリカのチャートでも存在感を放っていた時代の空気を伝えている。3位のジャネット・ジャクソンや8位のアニタ・ベイカーといったブラック・コンテンポラリーの実力派、5位のリチャード・マークスや7位のフィル・コリンズに代表される渋みのあるAOR/ロック勢、そして10位のハートによるクラシック・ロック的な色気の再燃と、実に多層的な顔ぶれが同居していた。

特に注目したいのは6位のMCハマー「U CAN’T TOUCH THIS」だ。ライオネル・リッチーの「スーパーフレイク」的なファンクネスをサンプリングしたこの曲は、当時のダンス・ミュージックとヒップホップの境界を軽やかに越え、後にMTV世代の象徴的なアイコンとなっていく存在だった。ポップなAC路線が主流だったこの週のTOP10の中で、ハマーのグルーヴ感は異彩を放っており、90年代前半のヒップホップがメインストリームへ本格的に浸透していく予兆を感じさせる一曲でもあった。また4位のニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックは、まさにこの時期絶頂期にあったティーン・アイドル・グループで、彼らの存在はのちのボーイズバンド・ブームの原型となっていく。

こうして振り返ると、1990年7月というこの一週間のチャートには、80年代的な洗練されたAOR/AC感覚と、90年代を予告するヒップホップ/ダンスのビート、そしてヨーロピアン・ポップの台頭が絶妙に混在していたことがわかる。ウィルソン・フィリップスの「HOLD ON」が1位に立っていたこと自体が象徴的で、良質なコーラスワークとメロディを軸にしたポップスがまだ強い支持を得ていた時代の証言でもある。今聴き返すと、当時のラジオから流れてきたであろうこの並びは、単なる懐かしさだけでなく、音楽シーンの潮目が静かに動き始めていた瞬間の記録として、あらためて興味深く響いてくる。

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1990年7月15日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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