TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1989年8月13日放送)

TOKIO HOT 100 1989-08-13 放送回ランキング ランキング

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1989年8月13日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1989年8月13日放送回)。

この週の音楽シーン

1989年8月13日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いていたのはPRINCEの「BATDANCE」だった。この曲は同年公開の映画『バットマン』のサウンドトラックとして制作されたもので、ティム・バートン監督による新しいバットマン像の登場は世界的な話題を呼び、その熱狂を音楽面で象徴していたのがこの1曲だったと言える。PRINCEらしい実験精神が随所に感じられるトラックで、映画のセリフをサンプリングしながらファンク、ロック、ダンスミュージックを縦横無尽に行き来する構成は、当時のポップスの枠組みを軽々と超えていた。映画とのタイアップ曲がここまでチャートの中心に据えられること自体、1980年代末のメディアミックス的な音楽消費のあり方をよく表しているように思う。

この週のTOP10全体を眺めると、1989年という年がいかに多彩なサウンドで彩られていたかがわかる。2位のRICHARD MARXによる「RIGHT HERE WAITING」は、切なさを湛えたバラードとして多くのリスナーの心を掴んだ楽曲であり、PRINCEの実験的な1位曲とは対照的な位置づけで存在感を放っている。3位にはBOBBY BROWNの「ON OUR OWN」がランクインしており、こちらも『ゴーストバスターズ2』関連の楽曲として、当時のニュージャックスウィングの潮流とハリウッド映画音楽が結びついていたことを物語っている。

4位のGLORIA ESTEFANはマイアミ・サウンド・マシーンでの活躍からソロへと軸足を移しつつあった時期であり、5位のROXETTEはスウェーデン出身ながら英語詞のポップロックで世界進出を果たしつつあった存在だ。6位のJODY WATLEYがERIC B & RAKIMという当時最先端のヒップホップ勢とコラボレーションしている点も興味深く、R&Bとラップの融合がまさに進行中だったことを感じさせる。7位のNEW KIDS ON THE BLOCKは、この後の10代アイドルグループブームの先駆けとして、ボーイズグループというフォーマットを大きく前進させた存在だった。

8位のSIMPLY REDによる「IF YOU DON’T KNOW ME BY NOW」はソウルのカバーとして磨き上げられた完成度の高さで知られ、9位のMARTIKAはラテン系シンガーとしての個性を発揮し始めていた時期、10位のDINOはダンスポップの佳曲として親しまれていた。こうして見渡すと、この週のTOP10は映画音楽、バラード、ニュージャックスウィング、ヨーロッパ発のポップ、ヒップホップとの融合、ボーイズグループ、ソウルカバーと、実に多様なジャンルが並列している。1989年という時代が、80年代的なサウンドの集大成でありながら、90年代への橋渡しの気配も帯びていたことを、このチャートは静かに物語っている。PRINCEの「BATDANCE」が頂点に立っていたという事実は、当時のポップミュージックが映像やエンターテインメント全体と結びつきながら、なお個性的な表現を追求できていた幸福な時代を象徴しているのではないだろうか。

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1989年8月13日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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