TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1991年11月3日放送)

TOKIO HOT 100 1991-11-03 放送回ランキング ランキング

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1991年11月3日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1991年11月3日放送回)。

この週の音楽シーン

1991年11月3日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いていたのはマライア・キャリーの「EMOTIONS」だった。前年に「ビジョン・オブ・ラヴ」で衝撃的なデビューを飾った彼女が、その勢いのままに放ったセカンド・アルバムの表題曲であり、この曲でもあの伸びやかで超高音域まで駆け上がるホイッスル・ボイスが存分に発揮されている。ダンサブルなトラックに乗せて感情の高揚をそのまま歌声にしてしまうようなパフォーマンスは、当時のR&B/ポップ・シーンにおいて彼女がいかに別格の存在であったかを物語っている。90年代という新しい音楽の時代の幕開けを象徴する一曲として、今聴いても色褪せない輝きを放っている。

この週のTOP10を眺めると、当時のアメリカン・ポップス、ブラック・コンテンポラリー、AOR、そしてロックがバランスよく共存していたことがわかる。2位のカーリン・ホワイト「ROMANTIC」はニュー・ジャック・スウィング的な洗練されたグルーヴを持つR&Bで、当時のダンス・ミュージックのトレンドを牽引していた楽曲のひとつだ。3位にはジャズ・ヴォーカリストとして注目を集めていたハリー・コニック・ジュニアが入っており、映画「ニューヨーク・シャッフル」などを通してスタンダード・ジャズをポップスの文脈に橋渡しした彼の存在感がうかがえる。

4位のシンプリー・レッドは「STARS」期に向かう充実の時期にあり、ミック・ハックネルの艶やかなヴォーカルが光る「SOMETHING GOT ME STARTED」がランクインしているのも興味深い。5位のエヴリシング・バット・ザ・ガールは、後のクラブ・シーンでの再評価にもつながる知的でメランコリックなポップ・センスを持つユニットで、この時期の英国ポップスの奥行きを感じさせる存在だ。6位にはプリンス・アンド・ザ・ニュー・パワー・ジェネレーション名義の「CREAM」がランクイン。ファンクとロックを自在に横断する彼の創作力が、90年代に入ってもまったく衰えていなかったことを示している。

7位のロバータ・フラック&マキシ・プリーストによる「SET THE NIGHT TO MUSIC」は、ソウルの円熟したヴォーカルとレゲエ/ラヴァーズロック的な質感が交差する一曲で、世代を超えたコラボレーションの妙が光る。8位のジュリア・フォーダムは英国の実力派シンガーソングライターとして、AORファンから根強い支持を受けていた存在だ。そして9位には、ガンズ・アンド・ローゼズが「USE YOUR ILLUSION」期に放ったバラード「DON’T CRY」が入っており、ハードロック勢がポップ・チャートの中でも確かな存在感を放っていたことがわかる。10位のジュリアン・レノンは、父ジョン・レノンの影を背負いながらも独自のメロディ・センスで支持を集め続けたアーティストだ。

こうして並べてみると、この週のTOP10は単なるヒットチャートというより、90年代初頭のポップ・ミュージックが多様なジャンルを横断しながら成熟していく過程そのものを映し出しているようにも思える。マライア・キャリーというひとつの才能の突出ぶりと、それを取り巻く豊かな音楽的土壌の両方を同時に味わえる、実に贅沢な一週間だったと言えるだろう。

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1991年11月3日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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