TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1989年5月14日放送)

TOKIO HOT 100 1989-05-14 放送回ランキング ランキング

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1989年5月14日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1989年5月14日放送回)。

この週の音楽シーン

1989年5月14日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いていたのはジョディ・ワトリーの「REAL LOVE」だった。80年代半ば以降、ソウルフルな歌声とダンサブルな感覚を併せ持つ女性シンガーとして人気を確立していた彼女らしく、都会的で洗練されたグルーヴを湛えたこの曲は、当時のブラックコンテンポラリー/ダンスポップのトレンドを象徴する一曲として多くのリスナーに支持されていたことがうかがえる。80年代終盤という時代は、打ち込みのビートとメロウなボーカルが融合したサウンドが主流となりつつあり、ジョディ・ワトリーのような存在は、そうした音楽的な移行期を軽やかに体現するアーティストだったと言えるだろう。

この週のTOP10全体を眺めても、当時の洋楽シーンの多様さがよく表れている。2位にはスウェーデン出身のロクセットが「THE LOOK」でランクインしており、ヨーロッパ発のポップ・ロックがアメリカを含む世界的なマーケットで存在感を放っていた時代であったことを物語る。彼らのサウンドは煌びやかなシンセサイザーと力強いギターリフを組み合わせたもので、80年代ならではのスケール感を持っていた。また3位のアニモーションによる「ROOM TO MOVE」も、シンセポップ的な要素とダンスミュージックの快楽性を兼ね備えた楽曲であり、同時代のクラブカルチャーとラジオヒットの結びつきを感じさせる。

4位のリチャード・マークスや5位のシェールとピーター・セテラによるデュエット曲「AFTER ALL」は、よりメロディアスでバラード的な側面を持つ楽曲であり、ダンスミュージックが席巻する一方で、依然としてAOR的な歌心が求められていたことを示している。特にシェールとピーター・セテラの組み合わせは、80年代のベテランアーティストたちが新たな形でチャートに存在感を示していた好例と言えるだろう。

6位のファイン・ヤング・カニバルズ「SHE DRIVES ME CRAZY」は、ネオアコースティックやソウルの要素を取り入れた独特のサウンドで知られ、当時のオルタナティブ寄りのポップシーンにおける成功例として記憶されている。そして7位には、マドンナの「LIKE A PRAYER」がランクイン。ゴスペル的な荘厳さとポップの融合という、彼女のキャリアにおいても重要な転換点となった楽曲であり、社会的な議論を呼んだことでも知られるこの曲がチャートに名を連ねていたのは、時代の空気を象徴する出来事だったと言えるだろう。

8位のディオン・エストゥスはワム!のメンバーとの縁も深いアーティストであり、9位の38スペシャルはサザンロックの系譜を継ぐバンドとして根強い人気を誇っていた。そして10位には、後にR&Bシーンの中心的存在となるボビー・ブラウンが「EVERY LITTLE STEP」でランクイン。ニュージャックスウィングの萌芽を感じさせるこの楽曲は、90年代への橋渡し役として重要な意味を持っていたことが今振り返るとよくわかる。

こうして1989年5月のTOP10を俯瞰すると、ダンスミュージック、ロック、バラード、そして新しいR&Bの潮流が同居していたことがわかる。ジャンルの境界が緩やかに溶け合いながらも、それぞれの個性が際立っていたこの時代の洋楽シーンは、今聴き直しても新鮮な発見に満ちている。

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1989年5月14日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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