2007年6月24日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2007年6月24日放送回)。
この週の音楽シーン
2007年6月24日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いたのはMAROON 5の「MAKES ME WONDER」だった。アダム・リーヴァインの艶やかな声とファンクネスの効いたベースライン、そしてダンスフロアを意識したビートが融合したこの曲は、バンドが持つロックの骨格にディスコ/ファンクの体温を注入した一曲として、当時の洋楽シーンに新鮮な風を吹き込んでいた。アルバム「イット・ウォント・ビー・スーン・ビフォア・ロング」からのシングルで、デビュー作で見せたメロウなソウル・ポップの延長線上にありながら、よりダンサブルでフロア映えするサウンドへと舵を切った意欲作だった。ロックバンドがここまで踊れる楽曲を作り、それが日本のラジオチャートでも支持されたという事実は、2000年代半ばのジャンル横断的な音楽消費のあり方を象徴していたように思う。
この週のTOP10を俯瞰すると、まさに時代の交差点のような多彩さがある。4位にはリアーナがジェイ・Zをフィーチャーした「UMBRELLA」がランクイン。2007年の夏を象徴するモンスターヒットとして世界中を席巻していたこの曲は、ポップスとヒップホップの垣根を軽やかに越える象徴的な存在だった。5位にはフランスのエレクトロデュオ、ジャスティスの「D.A.N.C.E」。ディスコ・クラシックへのオマージュを感じさせるこのトラックは、当時勃興していたフレンチ・エレクトロのムーブメントを体現しており、MAROON 5のダンス感覚とも呼応する部分があった。ダンスミュージックの要素がロックやR&Bのフィールドに浸透していく過渡期を、このチャートの並びが如実に物語っている。
邦楽勢も存在感を放っていた。2位のスガシカオ「フォノスコープ」は、独特の言葉選びとグルーヴ感で唯一無二の世界を作る彼らしい仕上がり。7位のくるり「JUBILEE」は、バンドとしての実験精神と歌心が同居する楽曲で、ロックバンドの表現の幅広さを感じさせる。9位のYUI「MY GENERATION」は、シンガーソングライターとしての瑞々しい感性がストレートに伝わる一曲であり、当時の日本の女性アーティスト像を語るうえで欠かせない存在感を持っていた。10位のケツメイシ「また君に会える」は、彼らならではの親しみやすいメロディと日本語ラップの心地よい融合が光る。洋楽と邦楽が同じ土俵で自然に並ぶこのチャートの構成そのものが、当時のJ-WAVEというメディアが持っていた開かれた選曲眼を物語っている。
3位のネヨ「BECAUSE OF YOU」は、2000年代のR&Bシーンを牽引したソングライター兼シンガーとしての実力が滲み出るバラード。6位のボン・ジョヴィ「(YOU WANT TO)MAKE A MEMORY」は、ベテランロックバンドが見せる普遍的なメロディの強さを感じさせ、8位のポール・マッカートニー「DANCE TONIGHT」は、伝説的ミュージシャンが軽やかなアコースティックサウンドで新たな一面を見せた楽曲だった。世代もジャンルも異なるアーティストたちが同じチャートに肩を並べていたこの週は、音楽が細分化しながらも横断的に聴かれていた時代の空気を凝縮しているようで興味深い。MAROON 5の1位という結果は、そうした多様性の中でロックバンドが提示したダンスミュージックへの応答として、今振り返っても象徴的な出来事だったのではないだろうか。
2007年6月24日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 MAKES ME WONDER — MAROON 5 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 フォノスコープ — スガ シカオ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 BECAUSE OF YOU — NE-YO ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 UMBRELLA — RIHANNA FEAT. JAY-Z ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 D.A.N.C.E — JUSTICE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 (YOU WANT TO)MAKE A MEMORY — BON JOVI ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 JUBILEE — くるり ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 DANCE TONIGHT — PAUL MCCARTNEY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 MY GENERATION — YUI ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 また君に会える — ケツメイシ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


コメント