Penthouse「一二三」入間くん第4期OPを鳴らすブラス&ピアノ ファンクの正体

ネオンが灯る夜の高層階、ブラスとピアノが躍る音の粒子が舞うイメージ 楽曲

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朝の通勤電車で耳に差し込まれた瞬間、眠気が飛んだ。ホーンの入り方が異様に速い。イントロで4小節も待たせない。Penthouseの新曲「一二三」を初めて聴いたときの正直な感想がこれで、そのあと何度も繰り返しているうちに、この曲がいまチャートでじわじわ上がっている理由がなんとなくわかってきた気がする。

2026年春アニメの中でも指折りに話題を呼んでいるNHK Eテレアニメ『魔入りました!入間くん』第4シリーズ。そのオープニングを担うのがこの一二三🛒楽天で、Penthouseにとっては初のEテレ系アニメタイアップとなる。ブラスセクションとピアノが前面に出た、いわゆる”ペントらしさ”の凝縮版。ただ、この曲の面白さは「ペントらしい」で片付かないところにある。

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この曲の要点

  • 「一二三」は2026年4月8日にビクターエンタテインメントから配信リリースされたPenthouseのシングルで、NHK Eテレアニメ『魔入りました!入間くん』第4シリーズのオープニングテーマ
  • 作詞は大原拓真・浪岡真太郎、作曲は浪岡真太郎、編曲はPenthouse名義
  • 2026年7月29日発売の3rdアルバム『Neon Garden』にも収録され、最新曲「一二三」「青く在れ」などを含む全10曲構成
  • 初回限定盤のBlu-rayには2026年3月開催の初の東京・日本武道館公演の本編映像が完全収録される。
  • Spotifyの再生数は300万回超と伸長しており、TOKIO HOT 100圏内でも継続的に動きを見せている。

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アニメOPとして書き下ろされた「一二三」の輪郭

まず基本情報から整理したい。「一二三」はNHK Eテレで放送中の『魔入りました!入間くん』第4シリーズのオープニングテーマとして、Penthouseがゼロから書き下ろした新曲だ。配信は2026年4月8日、レーベルはビクターエンタテインメント。作詞クレジットにベースの大原拓真とボーカル/ギターの浪岡真太郎が並び、作曲は浪岡、編曲はPenthouse名義。バンド全員でアレンジを詰めた形になっている。

第4シリーズの物語上のキーワードのひとつが「音楽祭」。この設定に寄せる形で、Penthouse側も”音楽祭”というキーワードに寄り添った、ブラスセクションとピアノのプレイが炸裂したPenthouseらしいファンキーなアップチューンで応えた、と公式サイトのリリース文にある。実際に音を追うと、ホーンの跳ね方は明確にファンク/ソウルの語彙で、そこにCateenのピアノが軽やかに乗る。派手だけどうるさくない、この温度感の作り方が上手い。

アニメ『魔入りました!入間くん』第4シリーズは4月4日から18時25分より初回放送スタート、全24話放送予定。過去シリーズのOP起用アーティストの流れを踏まえると、Penthouseの人選は「作品の”祝祭感”を音楽的にどう更新するか」という制作サイドの狙いが見える。

タイアップとしての座組みも整っている。90秒のOPサイズと、フルサイズ約3分35秒の両方でしっかり成立している構成で、テレビの前で聴く子どもと、Spotifyで通しで聴く大人の両方に対応する設計。ここは配信時代のアニメ主題歌の勘所で、Penthouseはそれを外していない。

もう一つ触れておきたいのが、この曲の”間口の広さ”。Eテレ土曜18時25分という時間帯は、家族全員がテレビの前にいる可能性が最も高い枠のひとつだ。小学生の子どもと、その親、場合によっては祖父母世代までが同じ画面を見る。この状況下でOPを担当するというのは、複数世代に一度に音を届ける仕事で、しかも耳障りに感じさせてはいけない。ブラスの使い方が”うるさすぎない”設計になっているのは、この視聴環境への回答でもある気がする。

ブラス&ピアノ 音の構造を聴きどころで分解する

音楽的な結論から言うと、この曲はホーンセクションの”間”の取り方で持っている。歌のフレーズが終わる前にホーンが差し込まれる、いわゆるコール&レスポンス的な設計が徹底されていて、耳が休む隙がない。それでいて煩くならないのは、Cateenのピアノが中低域で会話に加わっているから。Penthouseは浪岡真太郎(Vo, Gt)、大島真帆(Vo)、Cateen(Pf)、矢野慎太郎(Gt)、大原拓真(Ba)、平井辰典(Dr)による6人編成のダブルボーカルバンドで、浪岡と大島の声の掛け合いも、この”隙間の埋め方”に組み込まれている。

ドラムの平井辰典のプレイも聴き逃せない。ファンク系の16ビートでゴリ押さず、跳ねるところは跳ね、詰めるところは詰める。BPMは体感でおよそ120前後、走らせすぎない選択がされている。ここが早すぎると”アニメOP感”だけが残って、”バンドの曲”としての強度が落ちる。ちょうどいい速度。

A→Bメロの繋ぎ方も、Penthouseらしいひねりがある。ストレートに盛り上げていくのではなく、一度密度を落としてからサビに雪崩れ込む。この”タメ”がある曲は繰り返し聴きに耐える。個人的には3回目以降のリピートで気づく発見が多くて、これはたぶんアレンジのレイヤーが厚いから。

ミックスの話も少しだけ。ホーンとピアノを両立させるアレンジは、実は録音とミックスがかなり難しい。両方とも中高域を持っていく楽器で、下手にレベルを上げるとお互いを潰し合う。「一二三」ではその棲み分けが丁寧で、ホーンがフレーズを弾いているときはピアノが下支えに回り、ピアノが表に出るタイミングではホーンが短いスタッブに引っ込む。この譲り合いが、聴き疲れしないアップチューンの正体だ。

ベースの大原拓真のプレイも良い仕事をしている。ファンク寄りの曲でベースがどれだけ暴れるかは、その曲の”腰の位置”を決める要素。「一二三」の大原は跳ねすぎず、かといって地味にもならず、ホーンのリフとドラムのキックの間を縫うようにラインを引いている。作詞に加わっているベーシストが作るベースラインという意味でも、曲の骨格への理解が深い。

聴きどころ3点

  • イントロのホーン一撃:4小節も待たずに主題が投げ込まれる。TVサイズ90秒に耐える設計思想がここに出ている。
  • Cateenのピアノとブラスの会話:ピアノがリズム楽器と旋律楽器の両方を兼ねている瞬間があり、そこにホーンが応える。編成の妙味。
  • ダブルボーカルの声質差:浪岡真太郎の伸びと大島真帆の芯のあるトーンが交互に出るセクション。アニメOPの短尺の中で”バンドの体温”が伝わる部分。

Penthouseというバンドと「一二三」の位置づけ

この曲を語るには、Penthouseというバンドの成り立ちを一度整理しておきたい。メンバーは浪岡真太郎(Vo, G)、大島真帆(Vo)、Cateen(Piano)、矢野慎太郎(G)、大原拓真(B)、平井辰典(Dr)からなるツインリードボーカルバンド東京大学の音楽サークル「POMP」のOB合宿をきっかけに、元々ハードロックバンドをしていたヴォーカルの浪岡真太郎を中心として結成された。フリーで活動を始めた時期が長く、結成から事務所に所属せずにフリーで活動し、YouTubeやSNSにオリジナル曲やカバー曲などを投稿してキャリアを積んだ、いわば”配信世代”のバンドだ。

音楽性は結成当初から「日常をちょっとおしゃれに彩る音楽」をコンセプトとして、Maroon5の1stアルバム「Songs About Jane」のような音楽を目指して活動を始めた。ポップス、R&B、ソウルを横断するサウンドは、この設計思想の延長線上にある。Vo/Gtの浪岡はもともとハードロックバンド「QUORUM」出身で、その体験はいまも歌の押し出しの強さに滲んでいる気がする。

そしてピアノのCateen。この名前でピンと来る人も多いはず。クラシックピアニストとして国際的な活動も展開している同一人物で、Penthouseにおいてはバンドの音楽的な骨組みを担っている。ジャンル横断のセンスがバンドの中に自然に組み込まれているのは、この編成ならではだ。

キャリアの節目として大きいのが、今年3月に開催された初の東京・日本武道館公演【Penthouse ONE MAN LIVE in 日本武道館 “By The Fireplace”】。フリーの時代を経て、事務所所属のロックバンドと同じ舞台にたどり着いた瞬間で、この直後にリリースされた「一二三」は、バンドにとって”次のフェーズの号砲”の意味を持つ曲だと言っていい。

フリーで活動してきた時代の話を少し補足したい。事務所に所属せず、YouTubeとSNSで音源を積み上げていくスタイルは、2010年代後半から目立ち始めた新しいバンドの生き方だ。Penthouseはこの道をかなり早い時期から選び、結果としてビクターエンタテインメントとの契約に至った。事務所に守られずに自分たちで判断してきた期間が長いバンドは、一般に音楽的な自我が強い。「一二三」の”譲れない部分”の芯の強さは、この経歴と無関係ではないと思う。

ツインリードボーカルという編成の希少性も、改めて指摘しておきたい。日本のバンドで男女ツインボーカルが機能している例はそれほど多くない。男女デュエットで一時的にゲスト参加という形はよくあるが、恒常的に二人がリードを分け合う体制は、声質のバランス設計と楽曲アレンジの両面で相当な工夫が要る。Penthouseがそれを成立させているのは、浪岡と大島の声域がぶつからないこと、そして曲ごとに主役の受け渡しが自然にデザインされていることが大きい。

3rdアルバム『Neon Garden』へと繋がる文脈

「一二三」は単独の配信シングルであると同時に、2026年7月29日発売の3rdアルバム『Neon Garden』の中核曲でもある。2ndアルバム『Laundry』以降リリースしてきた配信シングルや新曲など全10曲を収録予定で、改めて今の自分たちのルーツやオリジナリティを洗い出し磨き上げたサウンドが集結する構成だ。

Penthouseの真骨頂ともいえる洗練されたアンサンブルと多彩なボーカルワークが凝縮され、ポップス、R&B、ソウルを自在に横断する唯一無二のサウンドがさらに進化。活動の過渡期である現在、改めて今の自分たちのルーツやオリジナリティを洗い出し磨き上げたサウンドが集結、というレーベル側の言葉通り、武道館を経て次のフェーズに進む前のリセット的な意味合いを持たされたアルバムで、「一二三」はその中で”外向きの新曲”の役割を担っている。

初回限定盤(CD+Blu-ray)VIZL-2543が6,600円、通常盤(CD)VICL-66159が3,300円、ビクターオンラインストア限定セットVOSF-16056が11,000円という3形態。物販としても丁寧に作られている。

MVについても触れておく。「一二三」のミュージックビデオは監督・キャラクターデザインをもけもけが担当したアニメーション作品で、原作アニメの空気を尊重しつつ、Penthouse独自の色を混ぜた仕上がり。バンドMVをアニメで作ること自体は珍しくないが、タイアップ元と別線でオリジナルのアニメMVを立てるのは制作コストがそれなりにかかる選択で、レーベル側の本気度が伝わる。

12月には本アルバムを提げた東名阪ホールツアー【Penthouse ONE MAN LIVE TOUR 2026 “Neon Garden”】の開催が決定している。「一二三」のブラス&ピアノを生で浴びられる機会が用意されているのは、この曲を追いかける側にはうれしい話だと思う。

チャートでの動き 配信データが示すもの

結論から書くと、「一二三」はゆっくり長く伸びるタイプのチャート挙動を示している曲だ。急激な爆発ではなく、アニメの放送が進むにつれて視聴者層に浸透していく、いわゆる”アニメOP型カーブ”。

Spotifyの再生数は300万回を超えており、これは配信リリースからの時間を考えれば十分に健闘している数字。TVアニメ第4シリーズが全24話予定で放送される中、OPを毎週聴くリスナーが積み上がる形で、しばらくは緩やかな上昇が続くはず。TOKIO HOT 100の集計ロジックとも相性がいい伸び方だと思う。

アニメタイアップ楽曲は、放送クールの終盤にかけて総再生数がじわじわ積み上がることが多い。夏〜秋のフェス期を経てアルバム『Neon Garden』の発売を挟むタイミングで、もう一段の露出が予想される。ここまでを見越した設計だとしたら、Penthouseとレーベル側の座組みは相当きめ細かい。

作詞クレジットに見える”二人体制”の意味

この曲の作詞クレジットは大原拓真・浪岡真太郎の連名。Penthouse結成のきっかけになった浪岡は、これまで発表された楽曲のうちほとんどの作詞・作曲を手掛けてきたバンドだが、近年はベーシストの大原が作詞に加わる曲が増えている。この体制変化は地味だけど大きい。

アニメOPは制約が多い仕事だ。作品のテーマに寄り添いつつ、バンドとしての個性も出す。90秒のTVサイズと、3分半のフルサイズの両立。ダブルボーカルの声の割り振り。この複雑なパズルを、二人で分担して組み上げた結果、コンパクトさと情報量の両方を確保できた印象がある。

個人的に興味深いのは、”祝祭”のテーマを持つ曲でありながら、単純に明るいだけではない感情の起伏が仕込まれているところ。詳細な歌詞の内容はここでは触れないが、聴き終わったあとに残る後味の複雑さは、単独作詞では出にくい種類のものだと感じる。

関連作品と、この曲から広げる聴き方

「一二三」を入り口にPenthouseを掘るなら、順番が大事。いきなり全アルバムに手を出すよりも、シングル群を時系列で追う方が、バンドの音楽的な変遷が見えやすい。

まず押さえたいのが2ndアルバム『Laundry』。ここに彼らのポップス/R&B/ソウル横断の”日常感”が凝縮されている。そのうえで、2026年4月配信の「一二三」、そこから7月29日発売の3rdアルバム『Neon Garden』へと聴き進める流れが自然。武道館公演のBlu-rayが付いてくる初回限定盤は、映像でバンドの現在地を体感できる意味でも価値がある。

入門動線

「一二三」の次に聴くべき1曲は、同じくアニメOPやドラマ主題歌ではなく、バンドの日常寄りの楽曲「ナンセンス」。派手なブラスから一歩引いた、Penthouseの”素の色”に触れられる。そこから広げるアルバムは2ndアルバム『Laundry』。「一二三」で好きになった人ほど、ここに戻ると発見が多いはず。

まとめ Eテレの土曜夕方に流れる「ちゃんとしたバンド」の音

アニメ主題歌は、いま日本の音楽シーンの入り口として一番機能している場所だ。そこにPenthouseのようなツインボーカル6人編成の、ブラスとピアノを軸にしたシティソウル寄りのバンドが起用される。この事実そのものが、時代の耳の変化を映している気がする。

「一二三」は、90秒の中に情報を詰め込みながら、3分半のフルサイズで聴いてもちゃんと”作品”になっている。ブラスとピアノの会話、ダブルボーカルの割り振り、アレンジのレイヤーの厚み——初見のリスナーに届く華やかさと、リピートに耐える設計の両立。この二枚看板をきちんと成立させている時点で、この曲は”ただのアニメタイアップ”ではない。

武道館を終え、3rdアルバム『Neon Garden』を控え、東名阪ツアーが待つ2026年後半。Penthouseの動きを追ううえで、「一二三」は明確な起点になる曲だと思ってます。まだ聴いていない人は、まずTVサイズで一度、そのあとフルサイズで一度、間を空けてもう一度。3回聴くと、耳が変わる。

まずこの作品から聴く

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  • Laundry — バンドの現在地を作った2nd
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  • ナンセンス — 素の色に触れる配信曲
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  • 青く在れ — 同時期の最新配信曲
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