TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2024年3月3日放送)

TOKIO HOT 100 2024-03-03 放送回ランキング ランキング

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2024年3月3日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2024年3月3日放送回)。

この週の音楽シーン

2024年3月3日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いたのは宇多田ヒカルの「何色でもない花」だった。この曲がトップに立ったこと自体が、当時の国内外の音楽シーンの空気をよく映し出している。同じ週のTOP10には、ARIANA GRANDEとMARIAH CAREYが顔を揃えた「YES, AND?」、BEYONCEが放った「TEXAS HOLD ‘EM」、DUA LIPAの「TRAINING SEASON」といった、世界的なポップスターの新曲がずらりと並んでいた。その中で日本語詞の楽曲が首位を占めたことは、国際色豊かなチャートの中でも独自の存在感を放つ瞬間だったと言える。

「何色でもない花」は、宇多田ヒカルというアーティストが長年築いてきた、内省的でありながら普遍性を帯びた音楽性を感じさせる一曲だ。派手な演出やトレンドへの迎合ではなく、静かに、しかし確実に聴き手の内側に染み込んでいくような楽曲づくりは、デビューから四半世紀近くを経てもなお色褪せない。むしろ、時代がめまぐるしく変化し、情報も音楽も消費のスピードが増す中で、じっくりと言葉とメロディに向き合う姿勢そのものが、逆に新鮮に響いたのではないだろうか。

この週のチャート全体を眺めると、BEYONCEの「TEXAS HOLD ‘EM」がカントリーの要素を大胆に取り入れて話題を呼んでいた時期でもあり、ポップミュージックのジャンルの境界がますます曖昧になっていく潮流が見て取れる。DUA LIPAやSIA & KYLIE MINOGUEといった顔ぶれも、ダンスミュージックとポップスの融合を推し進めるアーティストたちであり、フロア対応型のサウンドが世界的に支持されていた時期だったことがうかがえる。一方でERIKA DE CASIERの「LUCKY」のような、90年代R&Bを彷彿とさせるレイドバックした質感の楽曲がランクインしていたことも興味深い。ノスタルジーと同時代性が同居する、当時ならではのバランス感覚がにじむ選曲だ。

国内勢では、新東京の「さんざめく」が7位にランクインしている点も見逃せない。海外のビッグネームがひしめく中で、日本のバンドシーンから生まれた楽曲が食い込んでくることは、リスナーの耳が国境やジャンルを軽やかに越えていたことの証左でもある。TWICEとLAUVのコラボレーション「I GOT YOU」がランクインしていたことも、K-POPと欧米ポップスの垣根がさらに低くなっていた時代の空気を物語っている。

そして10位には、ビリー・ジョエルの「TURN THE LIGHTS BACK ON」。ベテランアーティストが長い沈黙を経て新曲を届けたこと自体が大きな話題となった一曲であり、世代を超えたリスナーの心を掴んだことがうかがえる。新しい才能と、時代を築いてきたレジェンドが同じチャートの中で肩を並べる光景こそ、この週のTOP10が体現していた豊かさだったのではないか。宇多田ヒカルの静謐な一曲を頂点に、多様な音楽性がひとつのチャートに凝縮されたこの週は、当時のポップミュージックの懐の深さを改めて感じさせてくれる回だったといえるだろう。

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2024年3月3日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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