TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2023年3月19日放送)

TOKIO HOT 100 2023-03-19 放送回ランキング ランキング

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2023年3月19日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2023年3月19日放送回)。

この週の音楽シーン

2023年3月19日放送回の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、まず目を引くのは1位に輝いたCHVRCHESの「OVER」だ。スコットランド・グラスゴー出身の3人組は、シンセポップの文脈で長くシーンを支えてきたバンドであり、ローレン・メイベリーの伸びやかで芯のあるヴォーカルと、冷たさと温かさが同居するエレクトロニックなサウンドメイクは、この曲でも健在だった。「OVER」というタイトルが示すように、何かの終わりや区切りを見つめながらも、シンセの音色そのものはどこか前を向くような明るさを帯びていて、聴き手の心情に静かに寄り添うタイプの楽曲だったと言える。バンドとしてのキャリアを重ねてきたグループが、この時期にこうした楽曲でチャート上位に食い込んでいたこと自体、2023年前後の洋楽シーンにおいてシンセポップやエレクトロポップの需要が根強く続いていたことを物語っている。 TOP10全体を眺めると、この週は非常に国際色豊かなラインナップだったことがわかる。2位のBEABADOOBEEはロンドンを拠点とするフィリピン系のアーティストで、「GLUE SONG」はベッドルームポップ的な親密さとギターの瑞々しさを併せ持つ楽曲。10代からSNSを中心に支持を広げてきた彼女のような存在が、日本のラジオチャートでも上位に定着していたことは、当時の音楽消費がストリーミングやSNSを介して国境を越えてフラットに広がっていたことを象徴している。一方で3位にはジェイソン・ムラーズという、2000年代から続くシンガーソングライターの系譜に連なる「I FEEL LIKE DANCING」がランクイン。世代もスタイルも異なるアーティストたちが同じチャートの中で共存していた点に、この時期のリスナーの嗜好の幅広さがうかがえる。 国内勢にも注目したい。5位には東京スカパラダイスオーケストラが、緑黄色社会の長屋晴子をフィーチャーした「青い春のエチュード」でランクイン。スカパラの持ち味であるホーンセクションの躍動感に、みずみずしいゲストボーカルが重なり合うことで、青春性と祝祭感を同時に感じさせる仕上がりになっていた。7位の羊文学「永遠のブルー」は、オルタナティブロックの手触りを持ちながらも普遍的な情感を描く塩塚モエカの歌世界が光る一曲で、8位のヨギー・ニューウェイヴス「A.Y.A」もあわせて、日本のインディー〜オルタナ発のバンドが海外アーティストと肩を並べて上位に並ぶ様子は、当時のシーンの成熟ぶりを感じさせる。 そして10位には、後にK-POP第4世代を代表する存在へと駆け上がっていくNewJeansの「Ditto」が名を連ねている。デビューから間もない時期のこの楽曲が、洋楽・邦楽混在のチャートにひっそりと、しかし確かな存在感で入り込んでいたことは、この週のTOP10を今あらためて眺めるうえで象徴的な一点と言えるだろう。 こうして振り返ると、この週のTOKIO HOT 100は、ベテランと新鋭、国内と海外、バンドとソロが入り混じりながら、それぞれの音楽性がきちんと拮抗していた回だったことが見えてくる。CHVRCHESの「OVER」が1位に立ったのも、派手さよりも丁寧に作り込まれたサウンドスケープが、この時代のリスナーの耳に確かに届いていたことの証だったのではないだろうか。

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2023年3月19日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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