2022年12月18日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2022年12月18日放送回)。
この週の音楽シーン
2022年12月18日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、この週のTOP10には一年の終わりらしい空気が漂っている。1位に立っていたのは「MIRAGE」を掲げるMIRAGE COLLECTIVEというプロジェクト名。単独アーティストではなく「集合体」を思わせるこの名義自体が、当時のシーンの気分をよく表していたように思える。ジャンルやレーベルの垣根を越えて才能が集まり、ひとつの楽曲・プロジェクトとして形になる――そうしたコラボレーティブな制作スタイルは、2020年代の音楽シーンでは特別なことではなく、むしろ当たり前の風景になっていた。誰が歌っているかよりも、どんな空気を生み出しているかで評価される時代の空気を、このタイトルはそのまま体現していたのではないだろうか。
この週のTOP10を見渡すと、実に国際色豊かなラインナップが並んでいる。2位にはテイラー・スウィフトの「ANTI-HERO」。自己内省的なリリックと親しみやすいメロディが同時に成立するこの曲は、2022年のポップシーンを象徴する存在として世界中で語られていた。7位にはBTSのジョングクによる「DREAMERS」。カタールでのサッカーワールドカップの熱気とともに世界中で耳にした人も多いはずで、K-POPのソロプロジェクトが国際的なスポーツイベントとリンクする形で存在感を示した好例といえる。9位のPNAUとトロイ・シヴァンによる「YOU KNOW WHAT I NEED」、10位のニッキー・ミナージュ、マルーマ、ミリアム・ファレスによる「TUKOH TAKA」も、ワールドカップの盛り上がりと無縁ではない一曲だった。音楽がスポーツの祝祭と結びつき、地域や言語を越えて広がっていく様子が、このチャートの中にも刻まれている。
国内アーティストに目を向ければ、4位にOfficial髭男dismの「Subtitle」。ドラマ主題歌として広く浸透したこの曲は、髭男らしい端正なメロディと言葉選びで、年末の落ち着いた気分にもすっと馴染んでいた。3位にはさらさの「太陽が昇るまで」がランクイン。TikTokなどのショート動画プラットフォームを起点に若い世代へ広がっていく音楽の届き方が、この時期には既に定着しており、その流れを体現する一曲だったといえる。そして8位には宇多田ヒカルの「First Love (2022 Mix)」。1999年の名曲が新たなミックスとして再び聴かれるという現象は、まさにストリーミング時代ならではのカタログの再評価を象徴していた。世代を越えて再生され続ける名曲の強さを、この年末にあらためて実感させてくれる並びだった。
5位のベニー・シングスによる「The World」や6位のアリシア・キーズ「December Back 2 June」も、この時期らしい柔らかなムードを添えている。派手な話題性だけでなく、じっくりと聴かせるソウルフルな質感の楽曲が中位に食い込んでいるのも、年の暮れという時季を意識した選曲バランスのように感じられる。全体として、この週のTOP10は国内・海外、ベテラン・新人、フィジカルなヒットとバイラルヒットが渾然一体となった、まさに2022年末という時代の縮図だった。ワールドカップの熱狂、TikTok起点のヒットの定着、そしてカタログ音楽の再生――複数の潮流が同時に流れ込んでいたこの週のチャートは、音楽の聴かれ方が多様化していく過渡期の記録として、今振り返ってもなお興味深い一枚のスナップショットになっている。
2022年12月18日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 MIRAGE — MIRAGE COLLECTIVE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 ANTI-HERO — TAYLOR SWIFT ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 太陽が昇るまで — さらさ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 SUBTITLE — OFFICIAL髭男DISM ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 THE WORLD — BENNY SINGS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 DECEMBER BACK 2 JUNE — ALICIA KEYS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 DREAMERS — JUNG KOOK ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 FIRST LOVE (2022 MIX) — 宇多田 ヒカル ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 YOU KNOW WHAT I NEED — PNAU, TROYE SIVAN ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 TUKOH TAKA — NICKI MINAJ, MALUMA, MYRIAM FARES ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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