TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2022年10月30日放送)

TOKIO HOT 100 2022-10-30 放送回ランキング ランキング

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2022年10月30日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2022年10月30日放送回)。

この週の音楽シーン

2022年10月30日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、藤井風の「GRACE」だった。岡山出身のシンガーソングライターとして、力の抜けたヴォーカルとゴスペルやソウルのフィーリングを纏ったピアノプレイで注目を集めてきた彼は、日本語と英語を自在に行き来する歌詞世界と、国内外の音楽ファンの双方を惹きつける普遍的なメロディセンスで、この時期すでに「日本発」という枠を超えたアーティストとして語られるようになっていた。「GRACE」というタイトルが示す通り、荘厳さと温かさを併せ持つ楽曲は、彼がこれまで積み上げてきた祈りにも似た音楽性の到達点のひとつとして、多くのリスナーに静かな衝撃を与えた一曲だったと言えるだろう。

この週のTOP10を眺めると、ジャンルも国籍も驚くほど多彩な顔ぶれが並んでいるのが印象的だ。2位にはLA出身の鬼才ドラマー/マルチプレイヤー、Louis Coleの「Dead Inside Shuffle」がランクイン。Brainfeeder周辺のシーンで培われた変則的なグルーヴとユーモアは、当時のインディー/ジャズ・ファンクの気運を象徴していた。4位のOfficial髭男dism「Subtitle」は、同時期に放送されていたTBS系ドラマの主題歌として茶の間にも浸透し、バンドサウンドとJ-POPの王道感を体現。6位には米津玄師の「KICK BACK」がランクイン。ちょうどこの頃アニメ化が始まった話題作のオープニングテーマとして一気に注目を集め、アニメ発の楽曲が洋楽・邦楽ロックと肩を並べてチャートインする構図は、当時のカルチャーの越境ぶりをよく表している。

5位のEd Sheeran「Celestial」、10位のOh Wonder「Can We Always Be Friends?」といった英国勢の存在も見逃せない。世界的なポップスターの新曲と、じわじわとコアなファンを増やしてきたインディー・デュオの楽曲が同じチャートに並ぶのは、ストリーミング時代ならではの光景だ。7位のSIRUPはシティポップ以降のR&B/ソウル感覚を体現する国内アーティストとして、8位のBUMP OF CHICKENは世代を超えて支持され続けるロックバンドとして、それぞれ異なる文脈からこのチャートに存在感を刻んでいる。3位のゆいにしお「MID-20S」、9位のリュックと添い寝ごはん「Thank You for the Music」といった曲名からは、20代という等身大の感情や、音楽そのものへの感謝を綴る内省的な歌詞世界がうかがえ、メジャー/インディーの垣根なく「言葉」を大切にする作品が支持されていた時期だったことも伝わってくる。

こうして振り返ると、この週のTOP10は、国内外・ジャンル・世代を問わず「良質なもの」が横並びで評価される、当時のリスナー感覚を凝縮した一枚のスナップショットのように見えてくる。その頂点に立った藤井風「GRACE」は、静けさと祈りにも似た説得力によって、多様な音楽が交差するこの週のチャートをそっと束ねる存在だったのではないだろうか。

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2022年10月30日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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