2016年6月19日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2016年6月19日放送回)。
この週の音楽シーン
2016年6月19日放送の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、ジャスティン・ティンバーレイクの「CAN’T STOP THE FEELING!」だった。アニメーション映画『トロールズ』のために書き下ろされたこの曲は、ダンスミュージックの高揚感とポップスの親しみやすさを兼ね備えた一曲として世界中で愛され、映画公開を待たずしてラジオやストリーミングで先行ヒットしていた。ホーンセクションを模したシンセの音色、コーラスワーク、そして何より「踊らずにはいられない」というタイトル通りの躍動感は、2016年という夏を象徴するサウンドのひとつだったと言えるだろう。ソロアーティストとして長いキャリアを持つティンバーレイクが、あえてシンプルでポジティブな一曲を世に放ったことは、当時のポップシーンにおける一種の清涼剤のようにも受け止められていた。
この週のTOP10を眺めると、2位にアリアナ・グランデの「INTO YOU」、5位にデヴィッド・ゲッタとザラ・ラーソンによる「THIS ONE’S FOR YOU」、8位にはフィフス・ハーモニーの「WORK FROM HOME」がランクインしており、洋楽ポップスとEDM、R&Bの要素が色濃く反映されたラインナップになっている。「THIS ONE’S FOR YOU」はサッカーの欧州選手権に合わせて制作されたアンセム的な楽曲であり、当時のヨーロッパを中心とした熱狂がそのまま音として届けられていた点も興味深い。また「INTO YOU」はアリアナ・グランデがよりダンスミュージック寄りの表現へと歩みを進めていた時期の楽曲で、彼女のボーカルの伸びやかさとビートの緊張感が絶妙に噛み合っていたのが印象的だ。
一方で邦楽勢のラインナップも非常に個性的だった。3位に桑田佳祐の「大河の一滴」がランクインしているのは象徴的で、日本のポピュラー音楽シーンを長年牽引してきたアーティストが、洋楽の最新ヒットと肩を並べる形でチャートインしていたことは、このプログラムならではの光景だったと言える。4位の水曜日のカンパネラ「ツチノコ」は、当時コムアイの独特な歌唱とKenmochi Hidefumiによるトラックメイキングが話題となっていたユニットの楽曲で、和のモチーフとエレクトロニックなビートを融合させる彼らのスタイルが端的に表れている一曲だ。7位のネバー・ヤング・ビーチ「明るい未来」は、脱力感のあるギターサウンドと素朴な歌声で当時のインディーシーンから支持を広げていたバンドの代表曲のひとつであり、9位のレキシ「KMTR645」は、歴史をモチーフにしたユーモラスな言葉遊びとファンクなグルーヴを掛け合わせるレキシならではの持ち味が発揮されている。10位の藤原さくら「SOUP」は、シンガーソングライターとしての瑞々しい感性が滲み出る楽曲で、静かな余韻を残すタイプの一曲としてこの週のTOP10に彩りを添えていた。
こうして振り返ると、この週のTOP10は洋楽のダンスミュージック・ポップスの潮流と、日本のポピュラー音楽やインディー、そして個性派アーティストたちの活動が同じ土俵で共存していたことがよくわかる。ジャンルも世代も背景も異なる楽曲が並ぶことこそが、当時のラジオチャート番組が持っていた面白さであり、リスナーにとっては新しい音楽との出会いの窓口として機能していたのではないだろうか。
2016年6月19日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 CAN’T STOP THE FEELING! — JUSTIN TIMBERLAKE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 INTO YOU — ARIANA GRANDE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 大河の一滴 — 桑田 佳祐 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 ツチノコ — 水曜日のカンパネラ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 THIS ONE’S FOR YOU — DAVID GUETTA FEAT. ZARA LARSSON ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 WOW — BECK ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 明るい未来 — NEVER YOUNG BEACH ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 WORK FROM HOME — FIFTH HARMONY FEAT. TY DOLLA SIGN ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 KMTR645 — レキシ FEAT. ネコカミノカマタリ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 SOUP — 藤原 さくら ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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