TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2021年3月28日放送)

TOKIO HOT 100 2021-03-28 放送回ランキング ランキング

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2021年3月28日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2021年3月28日放送回)。

この週の音楽シーン

2021年3月28日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、TOP10の頂点に立っていたのは宇多田ヒカルの「ONE LAST KISS」だった。この曲は同年公開の映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の主題歌として発表され、長年にわたりエヴァンゲリオンシリーズと深い関わりを持ってきた宇多田ヒカルが、物語の完結という特別な瞬間に寄り添う形で送り出した楽曲として大きな話題を呼んだ。当時はコロナ禍が続くなかで映画館での鑑賞体験そのものが特別な意味を持っていた時期でもあり、長く待たれた完結編とともに流れるこの曲は、多くのリスナーの記憶に強く刻まれることになった。宇多田ヒカルらしい繊細で内省的な歌声と、洗練されたサウンドプロダクションが融合した仕上がりは、単なるタイアップ曲としてではなく、彼女のディスコグラフィーの中でも重要な一曲として位置づけられていたように思う。

2位につけていたのは、ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによる新たなユニット、シルク・ソニックの「LEAVE THE DOOR OPEN」。この曲は同年におけるソウル・ファンク回帰の象徴的な存在で、往年のモータウンやスライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーンを思わせるレトロなグルーヴを現代的な質感でまとめ上げていた。二人のスターがタッグを組むというニュース自体が音楽シーンに大きな驚きをもたらし、この曲を含むアルバムの登場は2021年のポップミュージックの重要なトピックの一つとなった。

邦楽勢では3位にマカロニえんぴつの「LISTEN TO THE RADIO」、8位に藤井風の「旅路」がランクインしている点も見逃せない。マカロニえんぴつはギターロックの熱量を保ちながらも幅広いリスナー層に届く言葉選びで支持を広げていた時期であり、ラジオという媒体そのものをテーマにした楽曲がチャート上位に来ていることも興味深い。一方、藤井風は独自のフロウとソウルフルな歌唱で当時すでに大きな注目を集めており、「旅路」のようなしみじみとした楽曲がヒットチャートに自然と溶け込んでいたことは、彼のアーティスト性の広がりを物語っている。

海外勢では、アルフィー・テンプルマンやピーチ・トリー・ラスカルズ、ノー・ローマなど、当時のUKやUSのインディー・ベッドルームポップ的な感性を持つアーティストたちの名前も並んでいた。SNSを起点にリスナーを獲得していくスタイルが定着し始めた時期であり、こうした新しい世代のアーティストがラジオチャートにも顔を出すようになっていたのが2021年前半の特徴だったと言える。マルーン5とミーガン・ジー・スタリオンの組み合わせや、ジャスティン・ビーバーの「HOLD ON」など、ポップ・メインストリームの強さも同時に感じさせる構成だった。

このように振り返ると、この週のTOP10は邦楽と洋楽、メインストリームとインディー、レトロなグルーヴと新世代のベッドルームポップが同時に鳴っていた、非常に多層的な一週間だったことがわかる。宇多田ヒカルの「ONE LAST KISS」が1位に立っていたことは、単なる話題性だけでなく、当時の音楽シーン全体の空気を象徴する出来事だったのではないだろうか。

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2021年3月28日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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