TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1993年5月23日放送)

TOKIO HOT 100 1993-05-23 放送回ランキング ランキング

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1993年5月23日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1993年5月23日放送回)。

この週の音楽シーン

1993年5月23日放送分の「TOKIO HOT 100」でトップに立ったのは、ジャネット・ジャクソンの「THAT’S THE WAY LOVE GOES」だった。前年からのヒットとはいえ、この時期のチャート上位に居続けていたこと自体が、この曲の持つ息の長さを物語っている。ジャム&ルイスによるプロダクションは、80年代の彼女を象徴していたきらびやかなダンスビートから一転し、ミニマルなドラムとベースラインを軸にした、力の抜けたグルーヴを聴かせるものだった。ボーカルも囁くように抑制され、派手さよりも質感で聴かせるスタイルへとシフトしている。当時のR&Bシーンは、ニュージャックスウィングの高揚感から、よりレイドバックしたグルーヴ志向へと移行しつつあり、この曲はまさにその転換点を象徴する一曲として、多くのリスナーの耳に残ったはずだ。

2位のテレンス・トレント・ダービーは、英国出身でありながらソウルフルな歌唱を武器にした個性派シンガーで、当時すでに独自の音楽性で評価を確立していた存在。3位のマイケル・フランクスは、AOR/スムースジャズの文脈で長年活動してきたベテランで、都会的で洗練された空気を持ち込んでいる。この2曲が並ぶあたりに、90年代前半のTOKIO HOT 100が持っていた、単なる流行りものだけではない選曲の幅広さがうかがえる。

一方で4位にはエアロスミスの「LIVIN’ ON THE EDGE」がランクインしており、アルバム『Get a Grip』を携えたロックの重量感がR&B/ダンス系の楽曲と同じチャートの中で共存していたのも、この時代らしい風景だ。7位のスノウ「INFORMER」は、レゲエ/ダンスホールのフロウをポップフィールドに持ち込んだ楽曲として世界的にヒットしており、ジャンルを越境するサウンドが次々と登場していた93年という年の空気を伝えている。9位のジャミロクワイは、この後のアシッド・ジャズ/レア・グルーヴ・ムーブメントを牽引していくことになるユニットの初期の姿で、まだ無名に近い時期からこうした形で紹介されていたことは興味深い。

5位の around the way、6位のセシリア・レイ、8位のパパズ・カルチャー、10位のエンジー・ガールズといった楽曲は、今となっては耳にする機会の少ない名前かもしれないが、当時のダンス/R&Bシーンの層の厚さと、番組独自の掘り下げた選曲眼を感じさせてくれる。メジャーな名前とそうでない名前が同じテーブルに並ぶこの並びこそ、当時のFM局が担っていた「発見の場」としての機能を象徴していたと言えるだろう。ジャネット・ジャクソンの成熟したグルーヴを軸に、ロック、レゲエ、ソウル、そして来るべきアシッド・ジャズの萌芽までが同居したこの週のトップ10は、90年代前半という時代のポップミュージックの多様性を、ひとつの断面としてくっきりと映し出している。

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1993年5月23日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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