2003年9月28日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2003年9月28日放送回)。
この週の音楽シーン
2003年9月28日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いたのはくるりの「HOW TO GO」だった。京都出身の3人組として90年代末から独自の道を歩んできたくるりが、この時期に見せていたのはロックバンドという枠に収まらない柔軟な音楽性だ。フォーク、エレクトロニカ、洋楽的なアレンジ感覚を自在に行き来しながらも、日本語の響きを大切にする姿勢は一貫しており、「HOW TO GO」もそうした彼らのスタンスを象徴する一曲として多くのリスナーに届いたのだろう。2000年代前半という時代は、邦楽ロックが多様化しながらも独自の存在感を強めていった時期であり、くるりはその象徴的な存在のひとつだった。
この週のチャートを見渡すと、洋楽と邦楽が入り混じった構成が印象的だ。2位にはブラック・アイド・ピーズがジャスティン・ティンバーレイクを迎えた「WHERE IS THE LOVE」がランクイン。当時ジャスティンはNSYNCから本格的なソロ活動へと舵を切り、ヒップホップやR&Bのフィールドでも存在感を強めていた時期であり、この客演は象徴的な出来事のひとつだったといえる。ブラック・アイド・ピーズ自体もこの後、フィーガ・ジョインとともに世界的なブレイクを果たしていく直前の重要な時期にあった。
邦楽勢では、山崎まさよしの「風の伝言(メッセージ)」が3位に、元ちとせの「いつか風になる日」が4位に入っている。山崎まさよしはギタリストとしての卓越した技術と、素朴でありながら深みのある歌声で90年代から支持を集めてきたアーティストであり、この時期も安定したポジションを保っていた。一方の元ちとせは、奄美出身という独自のバックグラウンドを持ち、伝統的な歌唱法と現代的なポップスを融合させた唯一無二の歌声で、当時の音楽シーンに新風を吹き込んでいた存在だ。二人とも、流行に左右されない確かな音楽性で聴き手の心を掴んでいたことが窺える。
洋楽勢では、ケミカル・ブラザーズがフレーミング・リップスのウェイン・コインをフィーチャーした「THE GOLDEN PATH」が5位にランクイン。テクノ/ビッグビートの牽引役として90年代を席巻したケミカル・ブラザーズが、オルタナティブロックの雄であるフレーミング・リップスと共演するという組み合わせ自体が、ジャンルの境界が溶け合っていく2000年代的な感覚を体現していた。またファレル・ウィリアムスがジェイ・Zを迎えた「FRONTIN’」も7位に入っており、当時プロデューサーとして絶大な支持を集めていたファレルが、自身のソロアーティストとしての才能を本格的に開花させ始めていたタイミングでもあった。
スティーング(STING)の「SEND YOUR LOVE」が9位にランクインしているのも興味深い。ポリス時代から数えて長きにわたりシーンの第一線で活動を続けてきたスティングが、この時期も新たなサウンドへの挑戦を続けていたことが窺える。全体を通して見ると、この週のTOP10は邦楽と洋楽、ロックとヒップホップ、ベテランと新世代が絶妙なバランスで共存しており、2000年代前半という時代の音楽的な豊かさと多様性を色濃く反映した、非常に聴き応えのあるラインナップだったといえるだろう。
2003年9月28日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 HOW TO GO — くるり ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 WHERE IS THE LOVE — BLACK EYED PEAS FEAT. JUSTIN TIMBERLAKE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 風の伝言(メッセージ) — 山崎 まさよし ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 いつか風になる日 — 元 ちとせ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 THE GOLDEN PATH — THE CHEMICAL BROTHERS FEAT. THE FLAMING LIPS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 STUCK — STACIE ORRICO ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 FRONTIN’ — PHARRELL FEAT. JAY Z ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 チャンス — BIRD ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 SEND YOUR LOVE — STING ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 LOVE@1ST SIGHT — MARY J. BLIGE FEAT. METHOD MAN ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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