2008年6月22日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2008年6月22日放送回)。
この週の音楽シーン
2008年6月22日放送のTOKIO HOT 100で1位に輝いたのは、コールドプレイの「VIVA LA VIDA」だった。プロデューサーにブライアン・イーノを迎えたアルバム「美しき生命」からのこのシングルは、それまでのギターロック的な音像から一歩踏み出し、弦楽と重厚なパーカッションを前面に押し出したスケール感の大きなサウンドが特徴的だった。フロントマンのクリス・マーティンが歌う王の栄光と没落を思わせる寓話的なモチーフも相まって、単なるロックバンドの一曲を超えた「アンセム」としての存在感を放っていたことを覚えているリスナーも多いだろう。この曲が世界中のチャートを席巻していた時期と、この放送回が重なっていたことは象徴的だ。
TOP10全体を眺めると、当時のJ-WAVEらしい洋邦混在のバランス感覚がよく表れている。2位には秦基博の「虹が消えた日」がランクイン。弾き語りから出発したシンガーソングライターが、繊細な歌声とメロディーで着実に支持を広げていた時期の一曲だ。3位のトータス松本「涙をとどけて」は、ウルフルズのフロントマンとしてのイメージとはまた違う、ソロアーティストとしての表現を提示していた楽曲として印象深い。4位のSUPERFly「HI-FIVE」は、まだデビューから日の浅かった女性ロックシンガーの伸びやかな歌声が新鮮だった頃の一曲で、この後の飛躍を予感させるナンバーだった。
洋楽勢に目を向けると、5位のUSHER feat. YOUNG JEEZY「LOVE IN THIS CLUB」は、当時のクラブ・R&Bシーンを象徴するヒット曲で、重心の低いビートとオートチューン的な質感が印象的だった。6位のマドンナ「MILES AWAY」は、アルバム「ハード・キャンディ」からの一曲で、ファレル・ウィリアムスやティンバランドといった当時最先端のプロデューサー陣とタッグを組んでいた時期の作品。ベテランでありながら常に同時代のサウンドを取り込もうとする姿勢が伺える。7位のN.E.R.D.「EVERYONE NOSE」は、そのファレルが率いるバンドの楽曲で、ヒップホップ・R&B・ロックの垣根を軽やかに越えるプロダクションが持ち味だった。9位のジ・オフスプリングは、90年代から活動するベテランパンクバンドとして、この時期もなお現役感のあるロックサウンドをチャートに送り込んでいた。
邦楽のR&B・ポップス勢では、8位にクリスタル・ケイ「涙のさきに」、10位にダブルと安室奈美奈美恵のコラボレーション「BLACK DIAMOND」がランクイン。国内のR&B・ダンスミュージックシーンが独自の成熟を見せていた時期であり、洋楽的なグルーヴ感覚を日本語詞に落とし込む試みが数多く行われていたことがうかがえる。
こうして振り返ると、この週のTOP10は、洋楽ではロック・R&B・ヒップホップが並び立ち、邦楽ではシンガーソングライターからR&Bまで幅広いジャンルが共存していたことがわかる。ジャンルの垣根が今よりも明確でありながら、それらが同じチャートの上で自然に肩を並べていたのが2008年という時代の面白さだったのではないだろうか。1位に立った「VIVA LA VIDA」の壮大さは、そうした多様なサウンドが行き交う週の頂点にふさわしい存在感を放っていた。
2008年6月22日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 VIVA LA VIDA — COLDPLAY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 虹が消えた日 — 秦 基博 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 涙をとどけて — トータス松本 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 HI-FIVE — SUPERFLY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 LOVE IN THIS CLUB — USHER FEAT. YOUNG JEEZY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 MILES AWAY — MADONNA ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 EVERYONE NOSE — N.E.R.D. ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 涙のさきに — CRYSTAL KAY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 HAMMERHEAD — THE OFFSPRING ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 BLACK DIAMOND — DOUBLE AND 安室 奈美恵 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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