2011年2月20日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2011年2月20日放送回)。
この週の音楽シーン
2011年2月20日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いたのはAVRIL LAVIGNEの「WHAT THE HELL」だった。当時のアルバム「Goodbye Lullaby」からのシングルで、ハイスクール時代からポップパンクの象徴として走り続けてきた彼女が、その持ち味であるはじけるようなロックンロールのエネルギーを改めて提示した一曲として記憶されている。10代の頃のイメージから大人の表現へと移り変わる過渡期にありながら、ギターの疾走感とキャッチーなメロディという「らしさ」を崩さなかったところに、リスナーからの根強い支持が集まった理由があったのだろう。この時期は北米のポップシーンにおいてEDMが本格的に台頭してくる少し手前の段階で、ギターサウンドを軸にしたポップパンクやロックが、まだチャートの前線でしっかり存在感を放っていた。そうした時代の空気を象徴する1曲として、この週の首位はとても納得のいく顔ぶれだった。 2位以下に目を向けると、このチャートの面白さがより際立ってくる。RIP SLYMEの「センス・オブ・ワンダー」が2位に入り、日本語ラップシーンの成熟した表現力を示す一方、3位にはandropの「MIRRORDANCE」がランクイン。バンドサウンドと打ち込みを融合させた透明感のあるロックが、当時の邦楽ロックシーンに新しい風を吹き込んでいたことを思い出させる。海外勢では、BRITNEY SPEARSが「HOLD IT AGAINST ME」で4位に登場。エレクトロサウンドを大胆に取り入れた作品で、彼女自身のキャリアの中でも一つの転換点となった楽曲だ。5位のBRUNO MARSによる「MARRY YOU」は、その後長く愛され続けることになる定番ソングの萌芽をこの時点で感じさせる存在だったし、6位のSUPERFLY「SUNSHINE SUNSHINE」は、力強いボーカルとポップなアレンジで邦楽ロックシーンの層の厚さを物語っていた。 7位のスガ シカオ「約束」は、日本語詞の機微を大切にするシンガーソングライターらしい一曲で、洋楽が並ぶチャートの中でひときわ落ち着いた存在感を放っている。8位にはBEADY EYEの「THE ROLLER」がランクイン。Oasis解散後にリアム・ギャラガーが結成したバンドで、UKロックの伝統を引き継ぎながら新たな一歩を踏み出していた時期の楽曲であり、当時のリスナーにとっては感慨深いエントリーだったはずだ。9位のNIKIIE「HIDE&SEEK」、10位のNICK CARTER「JUST ONE KISS」も含め、ジャンルも国籍も世代も異なるアーティストが同じテーブルに並ぶ様子は、当時のJ-WAVEのチャートならではの多様性をよく表している。 こうして改めて並べてみると、この週のTOP10は、洋楽・邦楽、ロック・ポップス・ヒップホップという垣根を軽やかに越えながら、それぞれのジャンルの「今」を切り取ったスナップショットになっていたことがわかる。単なるヒット曲の羅列ではなく、当時のリスナーが何を求め、どんな音に心を動かされていたのかを映し出す鏡のようなランキングだ。AVRIL LAVIGNEの疾走感あふれる1位を起点に、多彩な音楽が共存していたこの週のチャートは、2011年という時代の音楽シーンの豊かさを今に伝えてくれる貴重な記録だと言えるだろう。
2011年2月20日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 WHAT THE HELL — AVRIL LAVIGNE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 センス・オブ・ワンダー — RIP SLYME ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 MIRRORDANCE — ANDROP ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 HOLD IT AGAINST ME — BRITNEY SPEARS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 MARRY YOU — BRUNO MARS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 SUNSHINE SUNSHINE — SUPERFLY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 約束 — スガ シカオ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 THE ROLLER — BEADY EYE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 HIDE&SEEK — NIKIIE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 JUST ONE KISS — NICK CARTER ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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