2019年2月3日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2019年2月3日放送回)。
この週の音楽シーン
2019年2月3日放送回の「TOKIO HOT 100」で1位に輝いたのは、宇多田ヒカルとSKRILLEXによる「Face My Fears (Japanese Version)」だった。ゲーム『キングダム ハーツIII』のテーマ曲として制作されたこの楽曲は、日本を代表するシンガーソングライターと、ダブステップ/EDMシーンを牽引してきたプロデューサーが手を組んだという時点で大きな話題性を持っていた曲だ。英語詞版と日本語詞版がほぼ同時期にリリースされたことも印象的で、国内リスナーに向けて「日本語で歌う宇多田ヒカル」を前面に出した本作が、この週のチャート上位に据えられたことは、当時の音楽シーンにおけるJ-POPと海外エレクトロニックミュージックの距離の近さを象徴していたと言えるだろう。
この週のTOP10を眺めると、ジャンルも国籍も世代も実に多彩な顔ぶれが並んでいる。2位にはCALVIN HARRISとRAG’N’BONE MANによる「Giant」、4位にはARIANA GRANDEの「7 rings」がランクインしており、いずれも当時のグローバルなポップス/ダンスミュージックの潮流を体現する存在だった。とりわけ「7 rings」は、ヒップホップ的なフロウとゴージャスなプロダクションを両立させたスタイルで世界中を席巻していた時期の楽曲であり、この放送回のチャートにもその熱量がそのまま反映されている。
一方で国内勢の存在感も見逃せない。3位のONE OK ROCKによる「Stand Out Fit In」は、海外マーケットを強く意識したロックサウンドで知られるバンドらしい一曲であり、5位のNULBARICHによる「Sweet And Sour」は、ブラックミュージックの語法を洗練された形で取り入れたシティポップ以降の感覚を持つグループとして注目を集めていた。6位のGRAPEVINEは「すべてのありふれた光」でベテランバンドらしい落ち着いた存在感を放ち、9位のKING GNUは「Slumberland」でジャンルを横断する独自の音楽性が広く知られ始めていた時期にあたる。8位のCHAIによる「Choose Go!」もまた、ポップかつユーモラスな表現で国内外から支持を集めつつあったバンドの一曲だ。
海外勢では7位にBACKSTREET BOYSの「Chances」が入っているのも興味深い。90年代から続くボーイズグループが2019年のチャートに名を連ねていたことは、時代を超えて支持されるポップスの強さを物語っている。10位にはSAM SMITHとNORMANIによる「Dancing With A Stranger」がランクインしており、ソウルフルなボーカルとシンプルな楽曲構成で幅広い層に届く一曲として存在感を放っていた。
こうして俯瞰すると、この週のTOP10は「日本語詞と英語詞」「バンドサウンドとエレクトロニック」「ベテランと新世代」といった複数の対比が同居する、実に豊かなラインナップだったことがわかる。1位の「Face My Fears」が象徴していたのは、まさにそうした境界の融解であり、2019年という年がJ-POPとグローバルミュージックの距離をさらに縮めていく起点のひとつだったことを、このチャートは静かに物語っている。
2019年2月3日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 FACE MY FEARS (JAPANESE VERSION) — 宇多田 ヒカル AND SKRILLEX ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 GIANT — CALVIN HARRIS WITH RAG’N’BONE MAN ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 STAND OUT FIT IN — ONE OK ROCK ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 7 RINGS — ARIANA GRANDE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 SWEET AND SOUR — NULBARICH ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 すべてのありふれた光 — GRAPEVINE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 CHANCES — BACKSTREET BOYS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 CHOOSE GO! — CHAI ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 SLUMBERLAND — KING GNU ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 DANCING WITH A STRANGER — SAM SMITH AND NORMANI ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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