2015年11月15日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2015年11月15日放送回)。
この週の音楽シーン
2015年11月15日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、頂点に立っていたのは星野源の「WEEK END」だった。前年に病からの復帰を経て、この年は「SUN」の大ヒットで一気に存在感を増した星野源が、続く一手として放ったのがこの曲だ。ソウルやファンクのグルーヴを大胆に取り入れながら、そこに日本語詞特有の言葉遊びと軽やかなユーモアを乗せる作風は、当時のJ-POPの中でも独自の座標を築いていた。アルバム『YELLOW DANCER』への流れを感じさせる仕上がりで、週末の解放感を音にしたようなタイトルと、体を自然と揺らしたくなるリズムが印象的な一曲だったと言える。
2位にはPENTATONIXの「CAN’T SLEEP LOVE」がランクイン。楽器を使わずハーモニーとビートボックスだけで音楽を構築する彼らのスタイルは、YouTubeを起点に世界的な支持を広げていた時期で、この曲もその勢いを象徴する存在だった。3位のPerfume「STAR TRAIN」は、中田ヤスタカが手がけるテクノポップの美学がさらに研ぎ澄まされた楽曲で、映画とのタイアップを通じてPerfumeの世界観がより広い層に届いていった頃の一曲だ。4位のColdplayは「ADVENTURE OF A LIFETIME」で新たなフェーズに突入しつつあり、ロックバンドでありながらダンスフロアも意識したサウンドメイクは、その後のアルバム『A Head Full of Dreams』への布石だったことが今振り返るとよくわかる。
5位のサカナクション「新宝島」は、バンドサウンドとエレクトロニックな質感を融合させる山口一郎の作家性が存分に発揮された楽曲で、映画とのタイアップも話題を呼んだ。6位のYEN TOWN BANDは、Charaを中心に90年代の映画『スワロウテイル』から生まれた伝説的プロジェクトであり、その名前がこの週のチャートに再び現れること自体に時代を超えた重みがあった。7位のJanet Jacksonは、Missy Elliottを迎えた「BURNITUP!」で、長いキャリアを持つレジェンドが第一線に戻ってきたことを印象づけた。8位のレキシは、歴史をモチーフにしたコミックソングという唯一無二のジャンルを切り開いており、「阿波の踊り子」名義のフィーチャリングもその世界観の一部として楽しめる仕掛けになっていた。9位のさかいゆうは、日本のソウルミュージックシーンを支える歌声で「ジャスミン」を届け、10位のAriana Grandeは「FOCUS」で、後の世界的ブレイクへとつながる階段を着実に上っていた時期だった。
こうして並べてみると、この週のTOP10は邦楽・洋楽を問わず、ジャンルの境界が緩やかに溶け合っていく2015年という時代の空気をよく映し出している。星野源が体現したファンク・ソウルの再解釈、Perfumeやサカナクションが示すバンド/テクノの越境、そしてPentatonixやAriana Grandeが牽引する新しいポップスの潮流。それぞれ異なる文脈を持つ楽曲が同じチャートの上で共存していたことこそ、この時代のラジオが持っていた懐の深さだったのかもしれない。星野源「WEEK END」が1位に輝いたこの週は、彼がシンガーソングライターとして次のステージへ進もうとしていた、その助走を感じさせる一週間だったと言えるだろう。
2015年11月15日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 WEEK END — 星野 源 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 CAN’T SLEEP LOVE — PENTATONIX ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 STAR TRAIN — PERFUME ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 ADVENTURE OF A LIFETIME — COLDPLAY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 新宝島 — サカナクション ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 アイノネ — YEN TOWN BAND ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 BURNITUP! — JANET JACKSON FEAT. MISSY ELLIOTT ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 SHIKIBU — レキシ FEAT. 阿波の踊り子 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 ジャスミン — さかいゆう ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 FOCUS — ARIANA GRANDE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


コメント