2015年9月20日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2015年9月20日放送回)。
この週の音楽シーン
2015年9月20日放送の「TOKIO HOT 100」は、夏の余韻が薄れ、秋の空気が街に忍び込み始めた時期のチャートだった。そんな週の頂点に立ったのが、秦基博の「Q&A」である。ギター一本から広がる透明感のある歌声と、内省的でありながら聴き手に静かに問いかけるような曲づくりは、デビュー以来一貫して彼が大切にしてきたスタイルだ。派手なアレンジに頼らず、声とメロディそのもので勝負する姿勢は、当時のJ-POPシーンの中でも独自の存在感を放っていた。季節の変わり目という空気とも呼応するように、この曲が1位に選ばれたことは、聴き手が落ち着いた音楽を求めるタイミングだったことを物語っているのかもしれない。
2位にはパスピエの「つくり囃子」がランクイン。成田ハネダの伸びやかなボーカルと、変拍子やポップな展開を大胆に取り入れたバンドサウンドは、当時の邦楽ロック・ポップシーンの中でも異彩を放っていた。予測不能な曲展開の面白さは、彼らが一貫して追求してきた音楽性の延長線上にある。
3位には海外からジャスティン・ビーバーの「What Do You Mean?」がランクイン。この曲は彼にとってイメージの転換点となった一曲で、トロピカルハウス的なビート感覚を取り入れたサウンドが世界的に新しい潮流を作り出していた時期と重なる。当時のポップミュージックがEDMやダンスホールの要素をより自然に取り込んでいく流れの中で、この曲は象徴的な存在だったと言えるだろう。同じく上位には、5位にリードフー feat. スティービー・ワンダーの「Where The Sun Goes」、10位にアヴィーチーの「For A Better Day」がランクインしており、この週はダンスミュージック・EDM的なサウンドが洋楽勢の主軸を占めていたこともうかがえる。
邦楽勢では、4位に三浦大知の「Sing Out Loud」。ダンスとボーカルを高いレベルで両立させる稀有なパフォーマーとして、当時すでに高い評価を確立しつつあった彼らしい、グルーヴ感のあるナンバーだ。7位には米津玄師の「アンビリーバーズ」。ボーカロイドプロデューサーとしての活動を経て、シンガーソングライターとしての存在感を強めていた時期の楽曲であり、独特の言葉選びとメロディセンスが徐々に幅広いリスナー層に届き始めていたことを感じさせる。8位のクリスタル・ケイ feat. 安室奈美恵「Revolution」は、世代を超えたボーカリスト同士の共演として話題を呼んだ楽曲で、R&B的な洗練とポップな親しみやすさを兼ね備えていた。9位のSCANDALの「Sisters」は、結成から長く第一線で活動してきた4人組ガールズバンドらしい、疾走感とエモーションを両立させたロックナンバーだ。
こうして並べてみると、この週のTOP10は、弾き語り的な内省性を持つ邦楽シンガーソングライターから、EDM/ダンスミュージックを主軸とした洋楽ヒット、バンドサウンド、R&Bまで、実に幅広いジャンルが同居していたことがわかる。ひとつのチャートの中に多様な音楽性が共存すること自体が、当時のリスナーの聴取スタイルの広がりを映し出していたとも言えるだろう。ストリーミングサービスが徐々に普及し始め、音楽との出会い方そのものが変化しつつあった2015年という時代において、このTOP10はまさにその過渡期の空気を封じ込めた記録として、今振り返っても興味深い一枚のスナップショットになっている。
2015年9月20日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 Q & A — 秦 基博 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 つくり囃子 — パスピエ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 WHAT DO YOU MEAN? — JUSTIN BIEBER ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 SING OUT LOUD — 三浦 大知 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 WHERE THE SUN GOES — REDFOO FEAT. STEVIE WONDER ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 YOU — SEBUHIROKO ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 アンビリーバーズ — 米津 玄師 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 REVOLUTION — CRYSTAL KAY FEAT. 安室 奈美恵 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 SISTERS — SCANDAL ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 FOR A BETTER DAY — AVICII ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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