2014年6月15日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2014年6月15日放送回)。
この週の音楽シーン
2014年6月15日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いたのはマイケル・ジャクソンの「LOVE NEVER FELT SO GOOD」だった。マイケルが世を去ったのは2009年6月。その後も未発表音源や旧録音を核にしたプロジェクトが続けられてきたが、この曲はジャスティン・ティンバーレイクとのデュエット的な仕立てで話題を呼び、往年のディスコ・ソウルの感触をそのままに、現代的なプロダクションを纏って蘇った一曲だった。1980年前後のモータウン期の未使用曲を土台にしているという成立の背景も含め、リスナーにとっては「今なお現役で1位を獲るマイケル」という不思議な感慨を抱かせるニュースだったはずだ。時を経ても揺るがないメロディの強度と、彼の声質そのものが持つポップネスが、2014年のチャートでも通用することを証明した週と言える。
この週のTOP10を眺めると、その並びが実に多層的だ。2位にはコールドプレイの「A SKY FULL OF STARS」。EDM的な高揚感を取り入れつつも、バンドとしての抜けの良さを失わない一曲で、当時のロックバンドがダンスミュージックの語法をどう取り込むかという潮流を象徴していた。4位のファレル・ウィリアムスの「HAPPY」も同様に、2013年末から2014年にかけて世界中を席巻したポジティブ・アンセムで、映画『ミニオンズ』関連の起用もあって、年齢や国籍を問わず口ずさまれた記憶がある人も多いだろう。7位の「LET IT GO」はディズニー映画『アナと雪の女王』の日本公開が2014年3月であったことを思えば、その熱がまだチャートに残っていた時期だったことがうかがえる。
邦楽勢の存在感も見逃せない。3位にはレキシの「年貢 FOR YOU」。歴史や時代劇のモチーフをファンクと融合させるという独自の作風は、この曲でも遺憾なく発揮されており、旗本ひろしや足軽先生といったユニークなクレジットからもユーモアが伝わってくる。5位の星野源「CRAZY CRAZY」、6位のスガシカオ「アストライド」は、いずれも2014年前後の日本のポップス/ロックシーンで独自の作家性を保っていたアーティストたちの仕事で、当時のJ-WAVEのプレイリストが単なる流行の追随ではなく、作家主義的な視点を持っていたことを感じさせる並びだ。
さらに8位に安室奈美恵の「SWEET 19 BLUES」、9位に椎名林檎の「NIPPON」が並ぶのも印象的だ。前者は1996年発表の彼女の代表曲であり、この時期に再び名前が挙がる背景には、彼女のキャリアを振り返る企画や再評価の動きがあったと想像できる。後者はサッカーワールドカップ・ブラジル大会に絡むテーマ曲的な扱いを受けた曲で、2014年6月というタイミングそのものが物語っている。10位のピットブル feat. ジェニファー・ロペス&クラウディア・レイテの「WE ARE ONE(OLE OLA)」も同大会のオフィシャルソングであり、この週のチャートには「W杯イヤーの夏」という時代の空気が確かに刻まれている。
洋楽の巨星の楽曲が1位を占め、EDMやフェス文化の波、映画・スポーツイベントに紐づいたヒット、そして日本の作家主義的なアーティストたちが同じ土俵で鳴っていた——この週のTOP10は、2014年という年がジャンルも国籍も軽やかに横断していた時代であったことを、静かに、しかし確かに物語っている。
2014年6月15日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 LOVE NEVER FELT SO GOOD — MICHAEL JACKSON ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 A SKY FULL OF STARS — COLDPLAY ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 年貢 FOR YOU — レキシ FEAT. 旗本 ひろし、足軽先生 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 HAPPY — PHARRELL WILLIAMS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 CRAZY CRAZY — 星野 源 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 アストライド — スガ シカオ ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 LET IT GO — IDINA MENZEL ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 SWEET 19 BLUES — 安室 奈美恵 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 NIPPON — 椎名 林檎 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 WE ARE ONE(OLE OLA) — PITBULL FEAT. JENNIFER LOPEZ AND CLAUDIA LEITTE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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