2014年5月4日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2014年5月4日放送回)。
この週の音楽シーン
2014年5月4日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、頂点に立っていたのはファレル・ウィリアムスの「HAPPY」だった。もともとはアニメーション映画のサウンドトラックとして生まれたこの曲が、世界中の街角やラジオから絶えず流れ続け、日本のチャートでも1位を獲得していたことは、当時の空気を象徴していると言っていい。ゴスペル的な高揚感とファンクのグルーヴを併せ持つシンプルな構成でありながら、聴く者を自然と踊らせてしまう普遍的な強さを持った1曲であり、国境や世代を超えて愛される「ハッピーソング」の代表格として記憶されている。プロデューサーとしてすでに数々のヒットを手がけていたファレルにとって、この曲は彼自身のアーティストとしての存在感を改めて世界に示す機会にもなった。
TOP10全体を眺めると、この週は洋楽と邦楽がバランスよく並んでいるのが印象的だ。星野源「桜の森」やゲスの極み乙女。「パラレルスペック」がランクインしているところに、当時の邦楽シーンの多様化が見て取れる。星野源はソロアーティストとしての音楽性をさらに深めていた時期であり、ゲスの極み乙女。は変拍子やジャズ的なコード進行を取り入れた独特のポップセンスで、新しい世代のリスナーを惹きつけていた。秦基博の「ダイアローグ・モノローグ」も、丁寧な歌詞世界と伸びやかな歌声で根強い人気を誇っていたシンガーソングライターの実力を伝えている。
洋楽勢では、ディズニー映画の主題歌として世界的な現象となった「LET IT GO」が4位にランクイン。アイドイナ・メンゼルによる劇中歌が国境を越えて広く歌われたのもこの時期ならではの出来事だった。また、ディアーティ・ループスやエド・シーランといった、テクニックとポップ感覚を兼ね備えたアーティストたちの楽曲が並ぶことで、当時のグローバルなヒットチャートの潮流も感じられる。エド・シーランはこの後さらに世界的なスターダムを駆け上がっていくことになるが、その予兆をこの週のランクインからも読み取ることができるだろう。
さらに、平井堅と安室奈美恵という日本を代表するアーティスト同士のコラボレーション「グロテスク」がランクインしている点も見逃せない。世代やジャンルを超えたコラボレーションが話題を呼んだ楽曲であり、当時の音楽シーンにおける“異色の顔合わせ”への注目度の高さを物語っている。シャキーラとリアーナという海外の女性アーティスト同士のコラボレーション曲がランクインしていることも合わせて考えると、この時期はコラボレーション文化がチャートを賑わせる重要な要素になっていたことが伺える。
こうして見渡すと、この週のTOP10は「HAPPY」という普遍的な高揚感を持つ楽曲を中心としながら、邦楽・洋楽それぞれの新しい才能やコラボレーションの潮流が交差する、実に豊かな一週間だったと言えるだろう。
2014年5月4日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 HAPPY — PHARRELL WILLIAMS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 桜の森 — 星野 源 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 HIT ME — DIRTY LOOPS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 LET IT GO — IDINA MENZEL ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 ダイアローグ・モノローグ — 秦 基博 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 SING — ED SHEERAN ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 パラレルスペック — ゲスの極み乙女。 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 IT’S ON AGAIN — ALICIA KEYS FEAT. KENDRICK LAMAR ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 グロテスク — 平井 堅 FEAT. 安室 奈美恵 ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 CAN’T REMEMBER TO FORGET YOU — SHAKIRA FEAT. RIHANNA ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


コメント