TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(2021年9月12日放送)

TOKIO HOT 100 2021-09-12 放送回ランキング ランキング

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2021年9月12日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(2021年9月12日放送回)。

この週の音楽シーン

2021年9月12日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、頂点に立っていたのはザ・ウィークエンドの「Take My Breath」だった。前作『After Hours』で見せた80年代シンセポップへの憧憬をさらに研ぎ澄ませ、ダンスフロアの高揚感とダークな影を同居させたこの曲は、当時のポップシーンにおける「ネオン・ノスタルジア」の完成形とも言える一曲だった。ロサンゼルスの夜を思わせるシンセの厚みと、ファルセットで駆け抜けるボーカルの緊張感は、パンデミック下で失われていたクラブカルチャーへの渇望を音として体現していたように思える。

2位にはエルトン・ジョンとデュア・リパの「Cold Heart (PNAU Remix)」がランクイン。エルトンの過去楽曲をサンプリングしながら現代的なダンスビートに再構築するという手法は、この時期顕著だったレガシーアーティストとの世代を超えたコラボレーションの潮流を象徴していた。デュア・リパの声がクラシックロックの旋律に新しい呼吸を与える様は、当時のポップスがいかに過去のアーカイブを再解釈する時代に入っていたかを物語る。

邦楽勢では桑田佳祐が3位に食い込み、ベテランならではの遊び心とロック魂を発揮。6位には Official髭男dism の「フィラメント」、9位には藤井風の「燃えよ」がランクインしており、この頃の邦楽シーンはバンドサウンドとソウルフルなボーカル表現がそれぞれ独自の進化を遂げていた時期だった。藤井風は瀬戸内から世界基準のグルーヴを提示し、既存の邦楽ポップスの枠組みを軽やかに超えていく存在として注目を集めていた。

4位のザ・キッド・ラロイとジャスティン・ビーバーによる「Stay」は、Z世代のベッドルームポップ的な感性とポップスターの説得力が交差した楽曲で、この年のアメリカンチャートを語るうえで欠かせない存在だった。5位のブルーノ・マーズ、アンダーソン・パーク、シルク・ソニックによる「Skate」は、70年代ソウル・ファンクへの深い敬愛を現代的なプロダクションで蘇らせたもので、リバイバルではなく「継承」としてのレトロサウンドの説得力を示していた。

7位のBTS「Butter」は、この年のグローバルポップを牽引した象徴的存在であり、メーガン・ジー・スタリオンをフィーチャーしたバージョンがランクインしていることも当時の勢いを物語る。8位にはロサンゼルスの10代バンド、ザ・リンダ・リンダズの「Oh!」がランクイン。パンクの直情性と青春の衝動をストレートに刻んだこの曲は、映画『フランシス・ハ』ならぬドキュメンタリー的な話題性とともに、世代を超えて支持を広げていた。

こうして並べてみると、この週のTOP10は、ネオン・シンセポップ、ソウル/ファンクの継承、レガシーとの再解釈、そして邦楽の多様な進化が同時多発的に交差する、実に豊かな瞬間だったことがわかる。パンデミック下という制約の中でも、音楽は確かに前へと歩みを進めていた。そのことを、このチャートは静かに、しかし雄弁に伝えている。

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2021年9月12日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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