TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1989年12月17日放送)

TOKIO HOT 100 1989-12-17 放送回ランキング ランキング

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1989年12月17日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1989年12月17日放送回)。

この週の音楽シーン

1989年も暮れようとする12月17日放送の「TOKIO HOT 100」。この週の1位に輝いたのは、フィル・コリンズの「ANOTHER DAY IN PARADISE」だった。ジェネシスのフロントマンとしてもソロアーティストとしても80年代を代表する存在だった彼が、この曲では一転してホームレス問題という社会的なテーマを取り上げ、静かに、しかし力強く歌い上げている。ドラマーとしても知られる彼らしい、あの独特のゲートリバーブを効かせたスネアの音色は使わず、むしろ抑制された打ち込みとコーラスワークで楽曲全体を包み込むようなアレンジに仕上げているのが印象的だ。80年代を通してヒットチャートの中心にい続けた彼が、その最後の年に社会性のあるバラードで1位を飾ったというのは、時代の締めくくりとして象徴的に響く。

この週のTOP10を眺めると、80年代のポップミュージックが多様な広がりを見せていたことがよくわかる。2位のカオマ「LAMBADA」は、ブラジル発のリズムを取り入れたダンスチューンとして世界的なブームを巻き起こした一曲。ラテン音楽が英語圏のチャートにここまで浸透したのは当時としては新鮮な出来事であり、ワールドミュージックの潮流を感じさせる存在だった。一方で3位のリチャード・マークスや9位のリンダ・ロンシュタットは、正統派のポップス・バラードの担い手として安定した支持を集めていたアーティストたちだ。

4位のジャネット・ジャクソンによる「RHYTHM NATION」は、ニュージャックスウィングの萌芽を感じさせるビートとダンスミュージックの融合が光る楽曲で、90年代への橋渡し役を担った存在と言えるだろう。5位のクインシー・ジョーンズ、レイ・チャールズ、チャカ・カーンという豪華な顔合わせによる「I’LL BE GOOD TO YOU」も、ソウルミュージックの重鎮たちが世代を超えて共演する贅沢な一曲として耳を引く。6位のビリー・ジョエルの「WE DIDN’T START THE FIRE」は、戦後から80年代までの出来事を早口で羅列するという異色の構成で話題を呼んだナンバーで、まさに「時代を振り返る」歌詞世界がこの曲自体にも刻まれている。

7位のミリ・ヴァニリはこの後の騒動で音楽史に別の意味で名を残すことになるグループだが、当時はダンスポップの寵児として人気を博していた。8位のソウルIIソウルは、イギリス発のクラブミュージックシーンからブレイクした存在で、ヒップホップとソウルを融合させたグルーヴが新しい時代の空気を運んできた。10位のボビー・ブラウンもまた、ニュージャックスウィングの旗手として90年代の音楽シーンを準備する重要な存在だった。

こうして見渡すと、この週のチャートには80年代のポップス、ソウル、バラードの完成形と、90年代に花開くダンスミュージックやニュージャックスウィングの萌芽が同居していたことがわかる。フィル・コリンズという80年代の顔がトップに立ちながらも、その周囲には次の時代を予感させるサウンドが着実に育っていた。年の瀬に聴くこのチャートは、まさに一つの時代の終わりと始まりが交差する瞬間を切り取ったものだったと言えるだろう。

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1989年12月17日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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