MAZZELという才能の正体|J-POP新世代を象る7人組の現在地

夜景と光の粒子が交差する近未来的なステージのイメージ アーティスト

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チャートに居続ける8人組——MAZZELという現象

ここ最近の日本のヒットチャートを眺めていて、気づくことがある。ダンス&ボーカルグループの層がとにかく厚い。K-POPの影響を受けた世代がプレイヤーとして立ち上がり、一方で日本発のグループもグローバル基準の作品を出すようになった。その真ん中あたりに、MAZZELがいる。SKY-HIが率いるBMSG発の8人組で、名前を見かける機会がどんどん増えている。

面白いのは、彼らの立ち位置が「新人」でも「大御所」でもない、独特の温度にあることだ。デビューはそう昔ではないのに、すでに固定ファンがついていて、リリースするたびにサブスクの再生数が積み上がっていく。オーディション出身グループにありがちな瞬発力だけの人気じゃなくて、楽曲そのものを聴きに来ている層が育っている感じがある。今週のチャートでの立ち位置を見ても、彼らが単なる話題性で数字を出しているわけじゃないことがわかる。

この記事では、MAZZELというグループがどう作られ、どんな音を鳴らし、なぜ聴かれているのか。事実の範囲で、じっくり掘っていく。ファン向けの内輪の言い回しじゃなくて、これから聴く人にも通じる言葉で書きたい。

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プロフィールと結成の経緯

MAZZELは、SKY-HIが代表を務めるBMSG所属の8人組ダンス&ボーカルグループ。メンバーはKAIRYU、RAN、SEITO、TAKUTO、EIKI、NAOYA、RYUKI、HAYATOの8人で、それぞれ経歴の異なるパフォーマーが集まっている。オーディション「MISSIONx2」を経て2023年にデビューした。BMSGにとってはBE:FIRSTに続く2組目のグループにあたり、事務所としても勝負のタイミングでの送り出しだった。

オーディションの過程はABEMAで配信され、単なる歌とダンスの巧拙だけじゃなく、それぞれのバックグラウンドやパフォーマーとしての哲学までもが見えるつくりになっていた。ここが後々効いてくる。デビュー後の楽曲やビジュアルを見ても、「なぜこの人がここにいるのか」がファンに共有されているグループは強い。MAZZELはまさにそのタイプで、キャラクターの立ち方が最初から明確だった。

SKY-HI自身がラッパー・プロデューサーとして海外のシーンを意識してきた人だから、MAZZELの設計思想にも「日本のマーケットだけを見ない」姿勢が透ける。実際、海外のプロデューサーやクリエイターとの制作、英語詞を混ぜたトラック、映像面での国際基準を意識したビジュアルワークなど、随所にその意図が見える。ローカルのアイドル的な文脈より、グローバルポップの中に自然に置ける音を目指している印象だ。

音楽性の核——ジャンルを跨ぐ設計

MAZZELのサウンドを一言でまとめるのは難しい。R&B、ヒップホップ、EDM、ポップ、時にラテンやアフロビーツの気配まで混ざる。ただ「なんでもやる」わけじゃなくて、8人のボーカルとダンスが軸として通っているから、ジャンルが変わってもグループの輪郭は保たれる。

初期シングルVivid🛒楽天は、その振れ幅を象徴する一曲だった。デビュー曲として、明るくキャッチーでありながら、ビートの組み方は今のグローバルなポップのモード寄り。ラップとボーカルの受け渡しがスムーズで、8人編成の強みが最初のトラックから活きている。ダンスパフォーマンスありきで書かれた曲だから、映像で見たときに完成する設計になっている。

その後の楽曲では、より攻めた質感の曲が増えていく。ダークなR&Bトラック、ドロップの強いダンスチューン、メロディを聴かせるミドルテンポ。ジャンルの引き出しが多いのは、単に器用というより、8人それぞれの得意領域が違うからだと思う。ラップに強いメンバー、ハイトーンが映えるメンバー、低音で楽曲を締めるメンバー——役割分担がはっきりしているから、楽曲側もそれを前提に自由に組める。

もうひとつ大事なのは、歌詞のテーマ性だ。細かい言い回しに触れることはしないが、全体として「自分の輪郭を掴む」「他人に定義されずに生きる」ような、自己肯定の目線が繰り返し出てくる。K-POPを含む現代のダンス&ボーカル系ポップに共通する潮流でもあるが、MAZZELの場合はそれがオーディション時代からのメンバーの言葉と地続きになっていて、単なる歌詞のテーマじゃなく、グループの立ち姿として響く。

聴きどころ3点

  • 8人のボーカルとラップの配分設計。1曲の中で担当が細かく切り替わるので、耳が飽きない。
  • ジャンル横断のトラック。EDM寄りの曲から静かなR&Bまで、リリースごとに顔が変わる。
  • ダンスと音の同期。映像で見て初めて完成する構造の曲が多く、MVとセットで聴くと解像度が上がる。

代表作・ディスコグラフィの読みどころ

まず入口として押さえておきたいのが、デビューシングルVivid🛒楽天。グループの名刺代わりの一曲で、パフォーマンスとサウンドの方向性が同時に伝わる。デビュー曲は往々にして「安全牌」になりがちだが、Vividはむしろ攻めた選択で、以降の作品に接続する余白がしっかり残されている。

1stアルバムPARADE🛒楽天は、彼らの現在地を一気に把握できる作品だ。シングル群を含めつつ、アルバム収録曲でジャンルの幅を大胆に見せている。1曲ごとの色がはっきり違うから、通しで聴くと「このグループ、こんなこともやるのか」という発見が続く。ダンス&ボーカルグループのフルアルバムはトラックの粒が揃わずバラけがちだが、PARADEは選曲と曲順で聴かせる意識が強い。

シングルではCarnival🛒楽天も外せない一曲。タイトル通りにお祭り感のあるダンスチューンで、ライブでの機能性が高い。フェスやテレビのパフォーマンスで映える曲は、グループの認知拡大に直結する。Carnivalは、まさにその役割を担った。

もう一段深く聴きたい人には、ミドルテンポやR&B寄りの楽曲群を推したい。派手なシングルの陰に、ボーカルの表現力を丁寧に見せる曲が並んでいる。この振れ幅こそがMAZZELの持ち味で、「派手な曲だけのグループ」と誤解して素通りするともったいない。個人的には、静かな曲でこそメンバーの声質の違いがはっきり出て、7人組であることの意味が音として立ち上がる感覚がある。

リリースのペースは決して詰め込みすぎず、一曲一曲に映像・パフォーマンス・ビジュアルまでセットで作り込む姿勢が徹底している。ここはBMSGの制作思想が反映されている部分で、量より密度で勝負するタイプのグループだと言っていい。

カルチャーの中の位置づけ

MAZZELを語るときに避けて通れないのが、BMSGというレーベルの存在だ。SKY-HIが私財を投じて立ち上げ、才能に対して真っ当な対価が支払われる構造を作ろうとした——このストーリー自体が、日本の音楽業界の慣習に対する明確な提案になっている。BE:FIRSTで一度証明したモデルを、MAZZELで拡張しにいっている、という見方ができる。

同時代の景色を見渡すと、日本のダンス&ボーカルグループは百花繚乱の状況にある。BE:FIRST、JO1、INI、Number_i、&TEAMなど、それぞれ異なる出自と方法論を持ったグループが並走している。この中でMAZZELの独自性は、「BMSGらしいアーティスト志向の設計」と「8人という編成による声の多様性」だ。曲によってフロントに立つメンバーが変わるのは他のグループでも見られるが、MAZZELの場合はそれが楽曲ごとの世界観の変化と直結している。

制作面での外部コラボや、他アーティストとの接続も少しずつ広がってきている。BMSG内での交流はもちろん、楽曲プロデュースに海外のクリエイターが関わるケースもあり、閉じたシーンの中で完結していない。ここがK-POPの制作構造と近い部分で、日本の従来型グループ運営とは違うレールを敷いている。

ファンダムのカルチャーも独特だ。オーディション時代から見守ってきた層と、デビュー後に楽曲から入った層が混在していて、SNSでの盛り上がり方も一方向じゃない。この二層構造は、グループの寿命を長くするうえで大きい。物語を追う楽しみと、音楽単体を消費する楽しみの両方が成立している。

今、チャートでMAZZELを見る意味

チャートに彼らの名前が並ぶとき、そこにあるのは単なる話題性の数字じゃない。楽曲のクオリティ、パフォーマンスの完成度、そしてBMSGという運営体の哲学。この3つが噛み合った結果として、順位が付いてくる。だから、いま彼らの曲がチャートで動いていることは、日本のポップミュージックがどっちに進もうとしているかを示すサインでもある。

ダンス&ボーカルグループの飽和と言われて久しいが、その中で残っていくグループには共通する条件がある。楽曲の芯があること。パフォーマンスがライブで機能すること。メンバーの個が立っていること。MAZZELはこの3つを、デビューから短い期間で押さえてきた。ここから伸びていくかどうかは、リリースを重ねて世界観をどう深めるかにかかっている。今の時点では、その伸びしろが十分に見える段階だと思う。

ライブの評判もいい。映像作品や配信で見る限り、8人揃ったときのステージの支配力は年数を重ねたグループに引けを取らない。ここは実際に体験するのが一番早いので、機会があれば現場で見てほしい。音源で聴くのと、映像で見るのと、生で見るので、それぞれ違う顔が出るグループだ。

入門動線

  • まずこの1曲:「Vivid」——グループの名刺代わり。8人の声と役割が一度に掴める。
  • 次にこの1枚:アルバム「PARADE」——ジャンルの振れ幅と表現の広さを一気に体感できる。
  • 深めるならこの1枚:シングル「Carnival」以降のリリース群——ライブ映像とセットで追うと解像度が上がる。

まずこの作品から聴く

  • Vivid — 名刺代わりのデビュー曲
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  • PARADE — 振れ幅が一枚で掴める
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  • Carnival — ライブ映えの決定打
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これから聴くならどこから

初めてMAZZELを聴くなら、順番はシンプルでいい。まずデビュー曲でグループの空気を掴む。次にアルバムで振れ幅を確認する。そこからは、自分の耳が反応した曲の周辺を掘っていく。ダンス&ボーカル系のグループは、MVとセットで見るのが一番効くので、サブスクだけじゃなく映像も並行して追うことをおすすめしたい。

もしあなたがすでに他のBMSG勢を聴いているなら、MAZZELは自然に入れると思う。事務所全体のプロダクションの質感が共通しているから、地続きに聴ける。逆に、これまでダンス&ボーカル系をあまり通ってこなかった人にも、MAZZELは間口が広い。ポップとして機能する曲、R&Bとして聴ける曲、ヒップホップとして刺さる曲——入り口がいくつもあるグループだ。

正直、ここまで書いてきて改めて感じるのは、MAZZELは「これから」のグループだということ。まだ全部の伸びしろが見えたわけじゃなくて、次のリリースで軽く方向を変えてくる可能性もある。だからこそ、今聴いておくと面白い。定点観測できるアーティストとして、リスナー側にも得のあるグループだと思ってます。

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