いま国内チャートで存在感を強めている8人組ダンス&ボーカルグループ、MAZZEL。彼らの新曲SO STRAWBERRY🛒楽天が、TOKIO HOT 100を含む各所で話題を集めている。BMSGという同じ屋根の下にBE:FIRSTを持ち、常に「次の一手」を問われる立場にあるMAZZELが、この夏にどんな球を投げてきたのか。歌詞の引用はせず、サウンドの設計、キャリアの流れ、パフォーマンスの見せ方まで、事実ベースで掘っていく。
まず押さえたい、この曲の立ち位置
MAZZELは、SKY-HIが代表を務めるBMSG所属の8人組。オーディション「MISSIONx2」を経て2023年にデビューし、そこから短いスパンで楽曲を積み上げてきた。BE:FIRSTが「王道J-POPの再定義」に振り切っているのに対し、MAZZELは初期から海外プロデューサーとのタッグや、英語主体のトラックへの適応力を前面に出してきた。この違いは戦略として明確で、同じ事務所内でも役割分担がはっきりしている。
「SO STRAWBERRY」は、そんな彼らの流れの中に置くと分かりやすい。彼らはこれまで、シリアスで硬質なダンストラックから、ポップでキャッチーな路線までを行き来してきた。今回はタイトルから察せられる通り、後者寄り。夏の空気に乗る、明るくフックの強いダンスチューンだ。ただ、単純に甘いだけの曲ではないところに、このグループらしさがある。
もう一つ重要なのは、リリースのタイミング。夏に向けて各アーティストが「刺さる一発」を狙う時期に、MAZZELもキャンペーン的な意味合いを持たせてこの曲を投下している。TikTokやYouTube Shortsを含む短尺プラットフォームでの拡散を意識した設計になっていて、フックの位置、繰り返し、ダンスの決めが分かりやすい。狙って作っている印象が強い。
楽曲の基本情報とリリースの文脈
「So Strawberry」は2026年6月22日に配信リリースされた楽曲で、MAZZELの2026年の活動を象徴する一曲として位置づけられている。詳細なクレジット(作詞・作曲・プロデュース)は公式情報を参照してほしいが、BMSGの楽曲は近年、SKY-HI自身の関与に加え、Matt Cabやその他海外系のトラックメイカーが名を連ねることが多い。MAZZELの過去シングルでも国際色のあるチーム体制が組まれてきており、今回もその流れを汲んでいると考えて自然だ。
フォーマットとしてはデジタル配信を軸に展開。フィジカルの有無や特典構成は媒体ごとに異なるので、購入や視聴の入り口は公式アナウンスで確認するのが確実。ミュージックビデオはYouTubeでのプレミア公開を経て、公開直後から再生回数を伸ばしている。彼らの場合、MVの完成度が明らかに一段上で、ダンスの見せ方と映像の色味が毎回セットで語られる。今回も例外ではない。
タイアップに関しては、公表されているものについては公式リリースに従って確認してほしい。BMSGはタイアップの選び方が独特で、必ずしも大型ドラマや広告に寄せず、ブランドや映像作品との相性を重視する傾向がある。曲のトーンから察するに、夏のキャンペーンやファッション系との親和性が高いのは間違いない。
サウンドの設計——甘さの奥にある骨
タイトルの「ストロベリー」から連想されるのは甘さや軽やかさだが、実際に鳴っているトラックはそれだけでは終わらない。ビートの芯には現行のUSダンスポップ/ヒップホップの語彙がしっかり入っていて、キックの重心が低い。ベースラインの動きも思ったより粘っこく、上物のシンセや声ネタが軽快に舞う裏で、ローエンドがちゃんと踊っている。上下のコントラストがはっきりしているタイプの曲だ。
ボーカルの配置も面白い。MAZZELは8人それぞれ声質が違うグループで、低めの太い声、透明感のあるファルセット、ラップ寄りのタイトなフロウが同居している。「SO STRAWBERRY」ではその特性を短いパスで切り替えることで、耳が飽きないようにできている。1〜2小節ごとにテクスチャーが変わる感覚は、K-POPの現行トップグループがやっていることに近く、日本語ボーカル曲としてはかなり密度が高い。
プロダクション面で個人的に耳を惹かれるのは、サビでの空間の広げ方。全部詰め込むのではなく、抜くところで抜いている。手数を減らして声を立たせる瞬間があるから、次にビートが戻ってきたときのカタルシスが強い。これはミックスの上手さでもある。ヘッドホンで聴くと、左右に散らされたコーラスやアドリブが立体的に配置されているのが分かる。スピーカーで大きな音で聴くのも楽しいが、ヘッドホンでの解像度は高い。
MAZZELというグループの現在地
2023年のデビューから2年ほど、MAZZELは「量を出しながら質を上げる」フェーズを走ってきた。デビュー曲以降、シングル、EP、そしてアルバム制作へと段階を踏んできた過程で、メンバー個々のスキルアップも明確に進んでいる。ダンスの精度、英語詞への対応力、ボーカルの安定感、いずれも初期と比べて別グループと言えるほど伸びた。
特にダンスに関しては、BMSGが振付師の選定にかなり投資しているのが伝わる。海外の振付師とのコラボが増え、日本のダンス&ボーカルグループが従来やってこなかったスタイル——たとえばストリート寄りのフリースタイルを構成に組み込む——が普通に採用される。「SO STRAWBERRY」のパフォーマンスもその延長線上にあり、リズム取りのニュアンスが細かい。カウントの取り方が独特で、他のグループのカバーが難しい部類だと思う。
ボーカルサイドでは、リードを取れるメンバーが増えたことが大きい。デビュー当初は特定のメンバーに負荷が集中していたが、最近の曲では役割分担が滑らかになった。低音域を担当するメンバー、ハイトーンを叩き出すメンバー、ラップで空気を変えるメンバー、それぞれの見せ場が短く連なる構成が板についてきた。この曲もその成熟の産物だ。
キャリアの中での位置づけとしては、「認知拡大の決定打」というより「ファン層の外側に届く楽曲」の一つ、と見るのが正しい。MAZZELはコア層の熱量は既に高く、あとはライトリスナーにどう刺さるか。その意味で、キャッチーさとダンスの見応えを両立させた「SO STRAWBERRY」は、まさにその狙いに合致している。
MVとパフォーマンスの見どころ
MAZZELのMVは、色設計とカット割りが毎回徹底されている。「SO STRAWBERRY」でも、赤・ピンクを中心に、白や淡い色を差し込むことで画面の温度をコントロールしている。過飽和にならないギリギリの塩梅で、ポップだけど安っぽくない。この見せ方はBMSGのMV全般の共通言語になりつつある。
ダンスは、フォーメーションの入れ替えが素早い。8人という人数はダンス&ボーカルグループとしては動かしやすい単位で、シンメトリーの美しさと、非対称の動きの意外性を両方使える。サビの決めの部分にはSNSで拡散しやすい振り付けが入っていて、短尺で切り取ったときに映える設計。実際、公開後にはショート動画での模倣コンテンツも増えている。
聴きどころ3点
- 甘いテーマ設定を裏切る、低音の重いビート設計。上物とローエンドの温度差が快感になる
- 1〜2小節ごとに切り替わるボーカルのバトンパス。8人の声質の違いを短距離で楽しめる
- 抜いて戻すサビの空間演出。ミックスの引き算が効いていて、大音量でもうるさくならない
チャートでの動きと拡散の広がり
具体的な順位や数値は放送・公式チャートの発表に譲るが、リリース以降、MAZZELの過去曲と比較しても初動の広がりが速い。ストリーミング、動画再生、SNSでの言及数、いずれも一定以上のペースで積み上がっている。BMSG勢は近年、リリースのタイミングで各プラットフォームを縦横に使う戦略がうまく、初動の伸びを最大化する設計に長けている。今回もその手法が効いていると見える。
ラジオでの反応も比較的早い。ダンス&ボーカル曲は、正直ラジオでの映え方がMVより難しいジャンルなのだが、この曲はメロディがしっかり立っているので、ラジオ経由でも入り口として機能する。TOKIO HOT 100のようなチャート番組でオンエアされることは、音源を初めて耳にする層にとって重要な接点になる。
海外の反応にも触れておきたい。BMSGは以前から海外露出を意識した動きが多く、MAZZELもアジア圏を中心にリスナー層を広げている。英語や多言語の要素を含む楽曲を積極的にリリースする方針は、こうした地盤づくりと直結している。「SO STRAWBERRY」も、日本国内だけでなく、周辺市場での再生を拾える曲だと思う。
この曲をどう楽しむか——聴き方の提案
ヘッドホンで、まずMVを見ずに音だけで聴くのを勧めたい。ボーカルの受け渡しがどこで起きているか、意識して追うと、8人のグループとしての設計の巧みさが見える。誰がどこで前に出て、誰が後ろで支えているか。1回目で全部は把握できないので、2回、3回と聴き返すたびに発見がある。密度の高い曲だ。
次にMVを見ると、音で捉えていた構造が視覚と結びつく。フォーメーションの中央にいるメンバーが実は歌ってなくて、コーラスの主役は端にいる、みたいな面白さがある。ダンスとボーカルが必ずしも一致しないところに、このグループの工夫が詰まっている。
最後にライブ映像。フェスや音楽番組でのパフォーマンスがアップされていれば、そちらもチェックしてほしい。スタジオ音源と生パフォーマンスの差異、そこにグループの現在の実力が出る。MAZZELは近年、生歌の安定感が明確に上がっているので、その成長を確認する意味でも見応えがある。
入門動線
「SO STRAWBERRY」で入り口を掴んだら、次はMAZZELのデビュー曲「Vivid」に戻ってみてほしい。初期衝動の硬質なダンストラックで、今の彼らと比較するとグループの進化が手に取るように分かる。アルバム単位で聴きたいなら、これまでの音源をまとめたリリースを一通り追うのが早い。BMSGレーベル全体の音作りに興味が湧いたら、BE:FIRSTやSKY-HIのソロ作品にも触手を伸ばすと、日本のダンス&ボーカル/ヒップホップの現在地が見えてくる。
まとめ——ポップの顔をした本気の一曲
「SO STRAWBERRY」は、タイトルの軽さに油断すると足元をすくわれる曲だ。表面はポップで夏らしいが、プロダクションはがっつり作り込まれていて、ダンスの精度も高い。MAZZELが「甘いだけのグループ」に見られないように、しっかり骨のあるトラックを乗せてきた——そんな作り手の意図が読める。
個人的には、日本のダンス&ボーカルシーンが今この解像度でポップスを作れるようになったこと自体が面白いと思ってる。数年前まで、こういうバランスの曲は正直、海外勢の翻訳版みたいになりがちだった。でも今は、日本語のフレージングとダンスの言語が自然に噛み合っている。MAZZELはその変化の最前線にいるグループの一つで、この曲はその証左だ。夏の間、あちこちで耳にする一曲になると思う。
まずこの作品から聴く
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