TOKIO HOT 100 ランキングアーカイブ(1990年5月20日放送)

TOKIO HOT 100 1990-05-20 放送回ランキング ランキング

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1990年5月20日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。

本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1990年5月20日放送回)。

この週の音楽シーン

1990年5月20日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、首位に輝いていたのはシネイド・オコナーの「NOTHING COMPARES 2 U」だった。もともとプリンスが書き下ろした楽曲であることは広く知られているが、それをシネイド・オコナーが自身のヴァージョンとして歌い上げたことで、まったく別の生命を持つ作品へと生まれ変わった。丸刈りの頭、飾らない出で立ち、そして感情を抑えながらも切実さがにじみ出るヴォーカル。ミュージックビデオでカメラのすぐ前で見せる表情は、当時のMTV世代に強烈な印象を残し、この曲を単なるヒット曲以上の存在にした。派手なダンスやビジュアル重視の演出が主流になりつつあった時代にあって、彼女のミニマルな表現は逆に際立って見えたのではないだろうか。

この週のTOP10を見渡すと、90年代の幕開けを象徴する顔ぶれが揃っている。2位のジャネット・ジャクソンは「ALRIGHT」で洗練されたダンスミュージックを展開し、5位にはマドンナの「VOGUE」がランクイン。ハウスミュージックの影響を色濃く受けたこの曲は、ヴォーギングというダンスカルチャーをポップスの表舞台に引き上げた一曲として記憶されている。ダンスミュージックとバラードが同居するチャートの様相は、80年代から90年代へと移り変わる音楽シーンの過渡期らしい豊かさを感じさせる。

一方で3位のウィルソン・フィリップスは、ビーチ・ボーイズやママス&パパスといった往年のグループの血を引くメンバーによるハーモニーバンドで、「HOLD ON」はその年を象徴するAOR/ポップスの名曲として親しまれた。7位のベル・ビフ・デヴォーは「POISON」でニュージャックスウィングの勢いをそのままチャートに持ち込み、8位のジョニー・ギルもまた同時代のR&B/ダンスミュージックシーンを支えた存在として知られる。こうした顔ぶれが同じチャートの中にひしめいていたことは、当時のアメリカン・ポップスがいかに多様なスタイルを飲み込みながら動いていたかを物語っている。

9位のマイケル・ボルトンは骨太なロック・ヴォーカルでバラードを歌い上げるスタイルで支持を集めていたし、10位のリサ・スタンスフィールドはイギリス出身でありながらソウルフルな歌声でアメリカのチャートにも食い込んでいた。国境を越えた音楽の交流も、このチャートの面白さのひとつだったといえるだろう。

あらためて1位のシネイド・オコナーに立ち返ると、この曲がヒットした背景には、当時のポップスが持っていた「シンプルであることの強さ」があったように思う。過剰な演出よりも、一人の歌い手の声と表情がリスナーの心に直接届く瞬間があった。1990年という年は、80年代的な華やかさと、90年代に向かうよりパーソナルな表現への転換点だったのかもしれない。このTOP10を眺めていると、そうした時代の呼吸のようなものが伝わってくる。

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1990年5月20日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)

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