1992年9月13日放送の J-WAVE「TOKIO HOT 100」を振り返る回顧コラムです。当時のチャート上位曲を手がかりに、その週の音楽シーンを読み解きます。
本サイトは非公式のファンサイトです。チャートデータの出典:J-WAVE「TOKIO HOT 100」(1992年9月13日放送回)。
この週の音楽シーン
1992年9月13日放送の「TOKIO HOT 100」を振り返ると、1位に輝いていたのはボビー・ブラウンの「HUMPIN’ AROUND」でした。ニュージャックスウィングの申し子として80年代末から一世を風靡した彼が、90年代に入ってもなお強靭なグルーヴを武器にチャートの頂点に立っていたことは、当時のブラック・ミュージックの勢いを象徴する出来事だったといえるでしょう。テディ・ライリー周辺のサウンドプロダクションが確立したビートの快楽性は、この曲でも存分に発揮されており、都会的でありながら肉体的なダンスミュージックとしての説得力を持っていました。ソロアーティストとしての存在感と、当時プライベートでも話題を集めていた彼の人気ぶりが、そのままチャートの数字に反映されていた一週だったのではないでしょうか。
このTOP10全体を眺めると、1992年という年がいかに多様な音楽が並列して支持されていた時代だったかがよくわかります。2位のロクセットは北欧発のポップロックとしてワールドワイドな成功を収めており、「HOW DO YOU DO」のキャッチーなメロディセンスは、ロックとポップスの境界を軽やかに越えるものでした。3位にはインストゥルメンタル・フュージョンユニット、ザ・ジャズマスターズが入っており、AOR的な洗練とジャズの香りを漂わせるサウンドがラジオのフォーマットに自然に溶け込んでいたことも興味深い点です。
4位のマドンナ「THIS USED TO BE MY PLAYGROUND」は映画『プロミスト・ランド』の主題歌として、彼女のポップアイコンとしての幅広さを示す一曲でした。5位のボーイズIIメンは「END OF THE ROAD」で、90年代を代表するR&Bハーモニーグループとしての地位を不動のものにしていく過程にあり、この曲のスロウでエモーショナルな作りは、後のR&Bバラードの潮流に大きな影響を与えていくことになります。6位のトム・コクランによる「LIFE IS A HIGHWAY」は、カナダ出身のロックミュージシャンが放った疾走感あふれるアンセムで、後年に至るまでカバーされ続ける普遍性を早くも感じさせるものでした。
7位のブラン・ニュー・ヘヴィーズはUKアシッドジャズシーンの旗手として、ファンクとクラブミュージックを橋渡しする役割を担っており、8位のベイビーフェイスとトニ・ブラクストンの共演曲は、90年代R&Bのソングライティング/プロデュース面での豊かさを物語っています。9位のINXSはオーストラリア出身のロックバンドとして国際的な人気を保持し続けており、10位にはエリック・クラプトンの「LAYLA」がアンプラグド版として再びチャートに顔を出していたことも象徴的です。オリジナルとは異なるアコースティックなアレンジで新たな世代のリスナーを獲得していた時期であり、ロックのレジェンドが新しい表現方法で再評価されていく流れも見て取れます。
ジャンルも国籍も世代も異なるアーティストたちが同じチャートの中で共存していたこの週のTOP10は、90年代前半という音楽的な過渡期の豊かさを凝縮したラインナップだったと言えるでしょう。
1992年9月13日付 TOP10(出典:J-WAVE TOKIO HOT 100)
- 1位 HUMPIN’ AROUND — BOBBY BROWN ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 2位 HOW DO YOU DO — ROXETTE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 3位 BLUE DAYS — THE JAZZMASTERS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 4位 THIS USED TO BE MY PLAYGROUND — MADONNA ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 5位 END OF THE ROAD — BOYZ Ⅱ MEN ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 6位 LIFE IS A HIGHWAY — TOM COCHRANE ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 7位 BONAFIED FUNK — THE BRAND NEW HEAVIES ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 8位 GIVE U MY HEART — BABYFACE FEAT. TONI BRAXTON ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 9位 HEAVEN SENT — INXS ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す
- 10位 LAYLA — ERIC CLAPTON ▶ YouTube Music / Spotify / 🛒 Amazonで探す / 🛒 楽天で探す


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